『シェアする落語』次回は7/7です。

2015年05月18日

毒婦の迫力と暖かい会話 第64回行徳落語会 春雨や風子 一龍齋貞鏡 2015/05/16


久しぶりに来たこの行徳落語会は、もともと柳家ろべえさんが主役で、ゲストを呼ぶ会だったはずだったのに、今回は女流二人なので、もうろべえさんのシリーズは終了したのかと思ったら、そういうことではないらしい。

ともかく今回は女流二人の会。桃色婦人会みたいな。



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木戸銭1,500円
春雨や風子『真田小僧』
一龍齋貞鏡『毒婦伝 天人お駒』

仲入り

一龍齋貞鏡『黒田節の由来』
春雨や風子『ラーメン屋』
会場は会議室。机に赤い布で山台。入りはやっとつばなれ。主催者のご苦労がしのばれる。

●春雨や風子『真田小僧』
ものすごく久しぶりに風子さん。声と口調がものすごくしっかりした。やっぱり二ツ目さんはしばらく見ないとグーンと伸びてる、ことがあるね。
ただ座った席から高座までがものすごく近くて、マスカラとアイシャドーが非常に気になってしまった。末廣亭だったら問題ないのかも。


●一龍齋貞鏡『毒婦伝 天人お駒』
評判だけは聞いていた貞鏡さん。やっと聴くことが出来た。
感想:すげえ。迫力すげえ。
僕は一番前の席下手にいたので毒婦・お駒の視線と表情がもろぶつかって来て、その色気と悪に、ほんとに背筋に寒気が来たよ。

こういう悪と欲望がむき出しになって襲ってくる講談は面白いなあ。こういうスリルは落語ではなかなか味わえない(圓朝噺などの例外はあるとして)。

そして貞鏡さん、見事です。素の喋りと毒婦、その落差がとんでもない。
すっかりファンになりました。


仲入り


●一龍齋貞鏡『黒田節の由来』
どす黒い迫力満点の講談のあとは、明るく楽しい酒飲みの講談。
面白かった!貞鏡さんもかなりの酒飲みらしくて、母里太兵衛のキャラクターが生き生きと。


●春雨や風子『ラーメン屋』
まくらで某演芸番組について相当突っ込んだネタバレをやっていたけど大丈夫なんだろうか。とてもここには書けない。

で、ここまでで行くと今日は貞鏡さんの完全勝利かなと思ったんだけど、最後にやってくれました。

そこには「美人落語家」なんてのはいませんでした。化粧も全く気になりませんでした。
じいさんがいました。ばあさんがいました。若者がいました。
ひたすら暖かい会話があり、心地よい時間が流れていました。


やられました。風子さんに対する認識は完全に変わりました。まあ、人によっては八人芸だというかもしれないが、いいじゃん。


客はわずか10人ちょっとの小さな会でここまでの満足。本当に素晴らしい。

ありがとうございました!


ところで6月11日(木) の一龍斎貞山・貞鏡親子会 かわら版に情報載せ損ねたらしいです。
告知しておきましょうか。
 
一龍斎貞山・貞鏡親子会〜師弟で毒婦伝を申し上げ候〜
19時開演
2500円
新橋内幸町ホール
助演 粋曲:柳家小菊

http://www.teikyo-ichiryusai.jp/schedule/
↑に貞鏡さんのメールアドレスがあるので、ご予約の方はメールでどうぞ。
 

m_shike at 09:30コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2015年05月18日 12:09
貞鏡さん、ああ見えて男気を感じる方。
凄みは血を感じますね。
2. Posted by 4k    2015年05月24日 11:21
男気のある毒女でした。

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