2015年03月23日

きれいな落語の新真打 鈴本演芸場三月下席 真打披露興行 三遊亭司 2015/03/21


独演会での『猫の忠信』が印象的だった三遊亭司さんもめでたく真打昇進。
10人真打興行の大初日、三遊亭司オフィシャルサイトから予約して参戦。




翁家社中(小楽・和助) 太神楽
入船亭扇遊『一目上がり』
柳家喜多八『替り目』
松旭斎美智・美登 奇術
三遊亭歌司『小言念仏』
鈴々舎馬風『漫談』
ホームラン 漫才
柳家喬太郎『幇間腹』
三遊亭圓歌『中沢家の人々』

お仲入り

寿・真打披露向上
並び順 左寄り
柳家喬太郎(司会)・柳家権太楼・鈴々舎馬風・三遊亭司・三遊亭歌司・三遊亭圓歌・柳亭市馬

涼風にゃん子・金魚 漫才
柳亭市馬『間抜け泥』
柳家権太楼『代書屋』
林家正楽 紙切り『若駒』『花見酒』『纒』『三遊亭圓歌師匠』
三遊亭司『明烏』



●翁家社中(小楽・和助) 太神楽
そうだった。真打昇進披露目は前座ないんだ。最初から太神楽で華やかにスタート。
ナイフ取り分けかっこいい。ふだん寄席に来ない客には大変なインパクト。


●入船亭扇遊『一目上がり』
おめでたい噺。ですが、すみません意識飛びました。


●柳家喜多八『替り目』
いいですよねえ。特にこの噺はニンにあってますよねえ。


●松旭斎美智・美登 奇術
割と苦手だったのですが今回は面白かったです。なんとなく『奥さまは魔女』みたいな昔のアメリカホームドラマみたいな雰囲気があって。


●三遊亭歌司『小言念仏』
いやあ、笑った笑った。弟子の昇進に対して特に何のメッセージもなく、短い時間でお客さんを満足させてさっと降りる。これが最大のメッセージ。

 
●鈴々舎馬風『漫談』
まあ、だいたいは何度か聴いたような話なんですが、客席受けてるし、僕も笑ったし、いいよね。
たまには独演会とかやんないんですかね。


●ホームラン 漫才
時間があったのかのびのびやってましたねえ。いや、ほんとは時間を調整する役割なのかも。いずれにしても僕は好きなコンビで、この日も大変に楽しく。


●柳家喬太郎『幇間腹』
全体的に短いのに、まくらからとにかく面白い。
そして、前々から思うことですが、落語世界とリアル世界を自由自在に行ったり来たり出来るのは、家元亡きあとでは喬太郎師が一番じゃないですかね。鍼を打たせるために仰向けで腹を出しながら「鈴本の天井ってこうなってたんだ〜」というセリフにこっちの腹まで痛くなった。可笑しすぎて。


●三遊亭圓歌『中沢家の人々』
でも一番面白いのは圓歌師なんですよ。一番受けている。
なんでこんな何度も聴いた噺がこんなに面白いのだろう。初めて聴く人はさらに腹よじってる。
86歳ですよ?

ほんとはもう歩くのだってゆっくりゆっくりなんですよ(この日、楽屋から出ていくところに偶然お会いしたので)。
なんでここまで蹴られ知らずなのか。

まくらでNHK演芸図鑑の話をしていたのも面白かった。
たまには『浪曲社長』やってくんないかなー。

※ほんとはここにさん喬師が入るところで代演なしの休演。なので全体的に時間に余裕あったかな?


お仲入り


●寿・真打披露向上
(並び順 左より)
柳家喬太郎(司会)・柳家権太楼・鈴々舎馬風・三遊亭司・三遊亭歌司・三遊亭圓歌・柳亭市馬

豪華ですねえ。全員が凄い。会長経験者2人、そして大師匠・師匠・ご本人と三代揃っての口上。いいなあ。

司会の喬太郎師が権太楼師を「こんたろう」と言い間違えて、
ゴン師はもちろん拾って笑いを取り、
馬風師はだいたいどこかで喋ったようなことを喋ったあとで「すみからすみまでずずずいーと」(ちゃんとそこにツケ打ちも入る)と両側の二人を吹っ飛ばす。
圓歌師は真打の語源を絡めつつ、
市馬師はまあスタンダード(会長初仕事)。
驚いたのは歌司師、とーんと終わっちゃった。あっさりしていてかっこいい。

誰が一人くらい司師匠の人柄とか苦労とか最初の師匠・四代目桂三木助に触れればいいのになとも思いつつ、あっさり終わるのもこれはまた粋で司師には似合うのかも。
思えば春風亭一之輔師昇進の時の馬風師はしつこかった。

お手を拝借で飛ばされた馬風師が憮然として、おしまい。


一度幕を下ろして、後幕チェンジ。出身高校の校章から後援会へ。


●涼風にゃん子・金魚 漫才
もはや芸より金魚先生の頭の上の工作ほうが素晴らしいという。いや、ちっさい司師の人形が乗っかってるんですが。あれ10個作るのかなあ金魚先生。
ちょっとゴリラ長かったなー。


●柳亭市馬『間抜け泥』
あまりにも当たり前の話ですが。ほんといい声だなあと改めて。


●柳家権太楼『代書屋』
楽屋でスマホで検索しちゃう前座の話、面白い。ITは時に人を無粋にする。ここでいうことじゃないけどね(笑)。で、得意の代書屋、やっぱり抜群に面白いんですなあ。途中で切った感じですが。


●林家正楽 紙切り
鋏試しは新真打にちなんで『若駒』。リクエストで『花見酒』『纒』『三遊亭圓歌師匠』。
圓歌師があまりにもそっくりで。
 
 
●三遊亭司『明烏』
待ってましたの声が飛び交う中で、幸せそうな笑顔で登場。 

「辞書を引きましたところ"真打"とはその道を極めた者とのことで……(あたくし)極めました
(拍手)
「ああた方!今日ここまでの(諸先輩による)流れを見て、よくここで拍手できますね!」

そりゃまあ86歳まで極めた人が出てましたからねえ。

三遊亭の三遊は三道楽。とのことで廓の噺を。

僕のなかでは『鼠穴』『猫の忠信』の印象が強い司師。
この日改めて思ったのはその語り口のきれいさ。伝法になりすぎず端正で、個々のキャラをゴリゴリ押すこともしないのに、源兵衛・太助の描き分けもきれい。
ポイントで笑いが取れても、そのせいで流れは淀みそうなところはしっかり刈り込んで、きれいで爽やかな明烏になっていた。

脂っこくがつがつ笑いを取りに来るでもなく、通好みの薄味淡泊でもなく、しっかり出汁の効いた吸い物みたいなきれいな落語、これはいいです。いろんなネタで聴いてみたい。

幕が下りた後、楽屋から聞こえてくる三本締めが良かったなあ。


この日の鈴本は満員札止め。いいスタートを切りました。大師匠のように長く長く活躍していただきたいと思います。

三遊亭司師匠の披露目は定席と国立演芸場であと4回。ぜひとも足をお運びください。
 
つかさ歳時記

(鈴本を出て、立ち飲みで一人酒しながら、ぼんやりと四代目桂三木助師を思い出していた、もう顔と声くらいしか覚えていないのだけど)

m_shike at 21:00コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2015年03月25日 11:57
三木助さんのお家の方が、許していないところがあるので、公の場ではちょっと出来ないのかもしれません。
2. Posted by 4k    2015年03月26日 01:55
確かに茂子さんブログには全く言及ないですね。
でも芸賓館では結構三木助師の話が出ていました。
そして司師匠のネタは三木助直伝の『湯屋番』でした。

米朝師が三木助を継いでいたらどうなったのかな、小きんは無理してでかい名前を継がず、のほほん時間をかけて自分の芸を追求できたのかも、と、どうしようもないことを考えます。

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