『シェアする落語』次回は7/7です。

2015年03月16日

刈り込んだ中にイリュージョン 談吉百席 第九回 立川談吉 2015/03/14


今年最初の談吉百席。僕はいつものビデオ記録係で。




立川談吉『強情灸』
立川談吉『弥次郎』
立川談吉『夕立勘五郎』

仲入り

立川談吉『寝床』 


●立川談吉『強情灸』
お、いつものまくらなしですっと入った!
と思ったら「まくらなしで入ったと思ったでしょ」と素に戻り、またすっと噺(というか、強情灸のまくら)に戻った。
面白いけどうまく話が収束せずぐるぐる回ってしまうまくらが談吉さんの弱点だと思っていたので、怖くてもとにかく噺に入っちゃうのは個人的には大賛成。

噺は、この日の談吉はさんは全てそうなんだけど、笑いを無理に取りに行くようなキツいクスグリがほとんどなく、落語が一曲の歌としてスムースに流れるあたり、やはりさすがというべき。部分部分で笑いを取ることにより全体で楽しく満足できる落語になっている。


●立川談吉『弥次郎』
北海道の高校で山岳部にいたときの話からの噺の入りはとてもスムース。噺はこちらもギャグを入れすぎず、しかしとるべき笑いはしっかり取ってご機嫌な出来栄え。


●立川談吉『夕立勘五郎』
家元との師弟エピソードを軽く絡めながら、ミュージック・テイトなどでは何度か披露していた浪花節を唸り、客席を沸かせたところで、僕の大好きな夕立勘五郎。
以前聴いたものと大きな変化はないが、こちらもご機嫌ですよ。


仲入り


● 立川談吉『寝床』
義太夫についてさらっと振ってすぐに噺へ。何度も書くけどスムース。
ギャグを足すよりむしろ刈り込んでいる。それも的確に。
それぞれの人物も無理にキャラづくりせず、あくまで噺の流れの中で浮かび上がる。
さらに、隠し味でイリュージョン風味なフレーズを入れてくる。
これがまたさり気ないのですよ。

傑作滑稽噺を、絶妙の軽妙さで料理。よいです。


あとでご本人は「いやあ、噛みすぎでしょう」と反省してましたが、リズムが狂わないので聴き手には大した傷に感じないし、刈り込んですっきりしたところにさらっと挟まれるフレーズがグッとくる。イリュージョンも入ってくる。
もちろん、ところどころに拙さは残るものの、それも上回る聴き心地の良さ、楽しさがある。

刈り込んで噺をいい塩梅に軽くするあたりは、ひょっとして現師匠の立川左談次師の影響もあるのかなあと思ったりして。

というわけで。
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m_shike at 20:30コメント(4)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

1. Posted by コウザ   2015年03月16日 23:28
先月ネタおろしで「寝床」を聴いて、あ、これはと感じ絶対百席でかけてくると思いました。粗削りでしたが、たった一ヶ月でかなり手を入れて何処へ出しても恥ずかしくない寝床に仕上げて来たと思いました。努力されたんですね、嬉しいな。これを武器に色んな場所に出ていけるんじゃないですか。

一席目マクラなしで二席目に喋るという構成は盲点で、談吉さんにはいいかも。マクラのために一席目でリズムを調えていくという。個性に合ってます。他の人と差別化もできますし。

噛むことは気にしてません。さる音楽家の「音を間違えてもいい。しかし全体のリズムは絶対に崩すな」が談吉落語に当てはまると思うんです。

しかしこの会場の音響は本当に落語向き。素晴らしいです。
2. Posted by 4k    2015年03月17日 00:14
全部、仰る通りだと思います。寝床はもう、あきらかに細かく細かく手を入れて仕上げましたね。

音響、とてもいいと思います。一方で照明は結構難しくて、ここだけの話かなり苦労しています。でも結構いい感じでしょ?
3. Posted by コウザ   2015年03月17日 06:23
そうです照明。あれは二つ目の落語家にはもったいなさすぎですよ。
あついなんて贅沢言っちゃイケマセンよねえ。
4. Posted by 4k    2015年03月17日 12:39
いや、暑いですよw照明については談吉さんも毎回苦心して調整しています。

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