2015年03月05日

これからが楽しみでしょうがない 立川寸志昇進記念二夜連続落語会「寸志のくぎり!第二夜 今日から二ツ目篇 2015/03/01


立川寸志さん、二ツ目最初の落語会は、昨日以上に ギチギチの超満員。
座る前からお膝送りされたすし詰めの座布団配置となっていたお江戸日本橋亭。

雨がひどく、客入れを早めた。まだ宣伝用写真の撮影をやっていた。
「皆さんも撮っていいですよ」。

お蔭でこんな写真を撮らせて頂いた。


「寸志のくぎり!第二夜 今日から二ツ目篇 3000円(翌日の第二夜と通し券 単独だと2500円) 

立川寸志『庭蟹』
立川寸志『鮫講釈』
立川談四楼『井戸の茶碗 』

仲入り

立川寸志『明烏』 


●立川寸志『ご挨拶』
黒紋付の羽織に袴で登場。師匠と同じところに発注したとのこと。黒の深さが違うと(確かに)。
超満員で窮屈になっていることのお詫びなど。
「ちょっと暑いですかね。下げてもらいましょうか。前座さん!
 あ、前座さんって言うんだ!」

でも自分で高座返し。おいおい。


●立川寸志『庭蟹』

昨日同様一度下がってから登場。「落語家の世界はシャレで動いている」と、有名な家元・毒蝮のエピソード。もうこの時点でものすごい笑い声。密集してんなあ。で、シャレが分からない人の噺へ。

もうね、安心して聴ける。
自信もも余裕も感じられて、それらすべてが客にとっての楽しさに繋がる。
あまりやり手のいない噺でもあり、いい武器ですよねえ。季節も問わないし。

また自分で高座返し。おいおい。


●立川寸志『鮫講釈』
日本橋亭の「落語講談たっぷり会」メンバーで神田愛山先生にも可愛がられている寸志さん。その愛山先生のエピソードから、立川流でよく聴くこの噺へ。

船の中の旅人たちのやり取りがいい。生き生きしている。聴いていてニコニコしてしまう。そして鮫が可愛い。はっちゃけても崩れないのは何となく喬太郎師(のコロッケそば)を連想する。
講釈は詳しくないから何とも言えないけど、非常にかっこよかった。一か所言いよどみそうになって、耐えた。

高座返しはだん子さん。やっと。


●立川談四楼『井戸の茶碗 』
開口一番「ウィリアム王子です」。こりゃ受けますがな。
まくらでは寸志さん入門のいきさつなどをたっぷりと。
ネタはお楽しみのままになっていたが、パンフに書いてあったのは、寸志さんの大好きな、おめでたい噺、とのことで、予想していたらやはり井戸茶。
ふだんあまり落語を聴かない客がやや多めとみて、分かりやすいギャグをホイホイ入れてくる。でも臭くはならないのは談四楼師の力か。


仲入り みんな立ち上がって体操。身動き出来なかったから。トイレも大変な混雑。


●立川寸志『明烏』 
「えーお色直しでございます」色紋付はこんな色。


ほとんどまくらなしで噺へ。師匠直伝のネタおろし。
冒頭のところ、ちょっと庭蟹と被った。で、それを素に戻って口にしちゃったのは少し残念。カットするか「さっきどっかで聞いたね」などと繋げたりしてほしかった。

でも惜しかったのは、ほぼここだけ。あとはもう、心の底から驚いた。

これが二ツ目のネタおろしなのか。

地語りでやや澱むところが目立ったが、台詞の端々に挿入される寸志さん独自のフレーズが人物に息を吹き込む。これが実に自然で、どれが(先代)文楽でどれが寸志さん作なのか分からないくらい調和している。

くすぐりは、それ単独で面白くても批評性が強すぎると噺の雰囲気を弱めてしまうことがあるが(このリスクをあえて取りに行くのが談笑師→笑二さん)、一方で寸志さんのくすぐりは。「受けを狙う」より「噺の世界を分かりやすくする」ことに重きが置かれていて、くすぐりにより『明烏』の世界はより強度を増していく。

例の「悪の権化」呼ばわりに対する源兵衛「俺がゴンで、お前がゲだな(ニヤリ)」なんて、なんと鮮やかな「明烏世界」の台詞だろう。甘納豆の部分も描写が緻密に練り直されていて、よりコンテクストが強化されている。

驚きながら、存分に楽しんだ。

ぶっちゃけ、なんか、真打昇進披露っぽかった。まあ年齢を考えたら不思議ではないのだけど。キャリアは三年七か月。

昇進披露で、このレベルの三席、いや前日から数えたら六席を揃えられるのは、真打っぽいよ。


●立川談四楼・立川寸志『ご挨拶』
師弟揃ってのご挨拶は写真撮影OK。


というわけで、予想はしていたものの、それをはるかに上回る素晴らしい会だった。

唯一、客席がほんとに窮屈で、僕もしんどかったし、それ以上にしんどい人もいたと思う。
でも一方で、この窮屈さをみんなで一緒に楽しもうという空気が感じられた。お祝いだし。
自分の実力・集客力を低く見過ぎていたご本人には少し反省してもらいたい(売切れであきらめた人も多そうだし)けど、僕に関していえば、この二日間を心の底から楽しんだ。

緻密な組み立てによる強固な世界観と、どこか暢気さを漂わせる軽妙なセリフ回しは、登場人物の誰もが自分の隣にいるような、いや自分自身であるような錯覚をひき起こす「落語的リアル」に満ちている。
僕が寸志さんの落語が好きな理由を説明するとしたら、今のところこんなところかな。

すでに持ちネタは70を超えるという。新たに聴いてみたいネタはいくつもあるし、『軒付け』『開帳の雪隠』『だくだく』など、また聴いてみたいネタもいくつもある。


好きな噺を、もう片っ端から「寸志バージョン」で聴き直してみたい。そして僕の知らない噺も掛けてほしい。

正直に言おう。
立川寸志が楽しみでしょうがない。 
そんな人はすでにいっぱいいるし、これからますます増えるだろう。





 
リンク
立川寸志、二つ目初日 酒飲亭いさんの落語ごろごろノート/ウェブリブログ

m_shike at 09:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
タグクラウド
メッセージ

名前
メール
本文
サイト内検索
4k主宰落語会『シェアする落語』情報
シェアする落語 第15回 三遊亭橘也&立川寸志 ご予約受付中!
プロフィール

パートナーブロガー 一覧 | アジャイルメディア・ネットワーク
シェアする落語に出演された落語家
管理人に連絡
記事検索
記事カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント