『シェアする落語』次回は7/7です。

2014年12月28日

クリスマス新作連発 池袋演芸場12月下席昼の部 主任三遊亭天どん 2014/12/25


有休消化で早めの冬休み。池袋演芸場へ。

僕はこの「池袋下席の昼の部」が大好き。14時開演とふだんの寄席より短くて2000円と安い。これくらいの尺のほうが寄席の醍醐味を味わえる気がするんですが、どうですかね?

平日なのに立ち見が出る盛況。僕は何とか座席確保。

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池袋演芸場下席・昼の部 2000円

柳家小はぜ『たらちね』
柳家花いち『かわいい指南』
桃月庵白酒『浮世"教会"・本(浮世床)』
林家きく麿『首領が行く』
ホンキートンク 漫才
柳家喬太郎『俵星玄蕃』
三遊亭白鳥『千葉棒鱈』

仲入り

古今亭駒次『生徒の作文』
春風亭一之輔『クリスマスの夜に』
翁家社中 太神楽
三遊亭天どん『公園の悪いおじさん』


●柳家小はぜ『たらちね』
途中から聴く。達者。前聴いたよりぐっと進歩している。


●柳家花いち『かわいい指南』
両国らくごあそびに続いての花いちさん。このネタもいいなあ。あくび指南は一応下敷きにはなってるんだろうけど、もはや全然関係ない。こんな喋り方の若い女性はもちろん実在しないのだが、居そうな雰囲気を見事に作っちゃうのがすごい。柳原可奈子みたいな?みたいな?


●桃月庵白酒『浮世"教会"・本(浮世床)』
まくらで毒づくのはもうおなじみ。噺はふつうの浮世床なのに舞台がなぜか教会。「賛美歌歌うんじゃねえぞ」それだけで腹がよじれるほど面白い。


●林家きく麿『首領が行く』
久しぶりのきく麿師。またこのネタがシンプルな構造ながらパワフル。小学生がVシネ見過ぎて抗争に……。白酒師と違うところのツボを押されてまた爆笑。


●ホンキートンク 漫才
久しぶり。前半ネタが空回りしてちょっと心配だったけど流れに乗った後半はめちゃくちゃ面白かった。東京寄席漫才四天王は全部好き。宮田陽・昇やロケット団もグイグイ来てるし、みんなもっと注目してほしい。ナイツだけじゃないぞー。
 
 
●柳家喬太郎『俵星玄蕃』
オールマイティ喬太郎師は、こういうところでギラリと名刀を抜く。
元は歌舞伎か浪曲か講釈か(講釈が最初みたいね)。もちろん三波春夫自作自演の歌謡浪曲であり、会長・柳亭市馬師のカヴァーでも有名(聴いたことないですが)。落語に仕立てたのは喬太郎師なのかな。
渋いですねえ。
数か所アクセントに笑いを取るけど、あとはひたすら渋い、男臭いドラマ。爆笑新作中心の流れにビシッと薬味。ちょっと泣いたかも。


●三遊亭白鳥『千葉棒鱈』
薬味のあとに安心して爆笑新作w。「天どんの人気は凄いですねえ……。何も僕まで駆り出さなくてもねぇ」と微妙にぼやきつつこの噺。
棒鱈はほとんど関係ないんだけど棒鱈とネタ帳に書いておいたほうがネタつかなくていいらしい。
千葉県民としてはマックスコーヒーはあっても「いいちこ」並みに知名度のある酒がないのが悔しいところ。埼玉vs千葉なんて古臭いけど、古臭いのを通り越して新鮮だったりするのかなあ。受けてました。



仲入り


●古今亭駒次『生徒の作文』
いろんな人が自分なりのアレンジをしているこの噺。駒次さんはもちろん鉄道マニアの生徒が登場。これがまた面白い。駒次さんは技術的にも達者だし、かなり注目してます。


●春風亭一之輔『クリスマスの夜に』
昨年の三遊亭粋歌独演会・粋歌の新作コレクションにゲスト出演されたときに演じていらしたので、今度は原作者・天どん師の高座で聴きたいなと思っていたら、また一之輔師で聴いちゃった。でも細かいところに微妙な修正を入れていて、見事な高座。子どものぶっきらぼうな感じがいかにも一之輔師の得意な表現で、しみじみいいです。


●翁家社中 太神楽
今回は小楽師と和助さんの二人編成。二人だと小楽師も喋りますね。
和楽師がいないのは寂しいけど、翁家は立派に寄席の華です。


●三遊亭天どん『公園の悪いおじさん』
「これだけ出てくれば、まー、もうみなさん元は取ったでしょう」と、いつものフワフワしたつかみどころのないまくらから、フワフワしたつかみどころのない自作へ。
白鳥師っぽい奇想天外な展開だけど、構造がかっちりしていて情報量があるので、客がしっかりとその世界に浸れるが天どん師らしい。「おもちゃ」がどんなおもちゃなのかを説明「しない」ところがいい。
ものすごく好きってわけでもないけど、ちゃんとした満足がある。 


というわけで、古典落語はなんと二つだけ、そのうち一つが教会で姉川の合戦を読む『浮世"教会"』。見事なまでの新作連発で、実に楽しい寄席でございました。行って良かった。

2014年12月31日19時26分13秒

夜の部の正楽師独演会も行きたかったけど、風邪ひいていたし、さすがに疲れたので帰宅。 

 


m_shike at 20:00コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2014年12月28日 22:27
天どん人気、凄まじいですね。
元取った以上にゲップが出そうです。
間違って入った古典派は戻しそうですね。
で今“どんギャル”に追いつく勢いにあるのが、“鯉八ギャルズ”なんだそうですよ。
2. Posted by 4k    2014年12月29日 02:16
僕もどんギャルの来襲を期待していたんですが、あんまりそんな感じもなかったです。なんかまんべんなく。新作の会でお会いする男性にお目にかかったくらいで。

で、天どんさんも両刀なので、この芝居の最後は見事な芝浜だったそうです。

鯉八ギャルズ、あの髪型にどんなリアクションされるんでしょうね。

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