2014年11月26日

天才たちの競演 新作カフェ08 瀧川鯉八独演会 ゲスト三遊亭粋歌 2014/11/22


久しぶりの鯉八さん。待ちに待った独演会はソールドアウト。ゲストがなんと三遊亭粋歌さん。
つまり、あたくし四家正紀主宰の『シェアする落語』第5回・第6回出演者の競演ですよ。たまらんですね。

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瀧川鯉八『俺ほめ』
瀧川鯉八『魔術』
三遊亭粋歌『影の人事課』
仲入り
瀧川鯉八『新日本風土記』
 

●瀧川鯉八『俺ほめ』
まずまくらが爆発的に面白い。DVDの話とか

の話とか。
「皆さん当然だと思ったんでしょう。リツイートされてませんでしたね」
自画自賛の連発が爆笑を誘う。

これがちゃんと導入になっていて、噺は、とにかく「人に自分をほめさせる」。
固定されたシチュエーションなのに次から次へと新しいパターンの「ほめ」が出てきて、褒められる方は一つ一つ違うリアクションを返す、一つ一つがみんな面白い。すげえな。正直、僕もあんな風にほめられたい。うらやましい。



●瀧川鯉八『魔術』
鯉八さんが2年くらい前から手掛けている噺。これを聴くのは何度目かな。物語が始まらないところが星新一っぽい。好きな噺です。
ぶあははは、どーん。は真似したくなることがある。

最初のころみたいにもっと長くやるパターンも、もう一度聴いてみたい。

ここまでまくら含めて随分たっぷり。


●三遊亭粋歌『影の人事課』
「鯉八さん好きなだけやってくださいといいながら、ご自分が随分たっぷりやってましたけど大丈夫なんですかね」と、らくごカフェ楽屋階段転倒事故の話から、さらりとこの自作の傑作噺へ。

何度聴いても面白くて笑うんだけど、聴くたびに主人公の松岡さんが悲しく、愛おしくなる。そしてあの方の無責任ぶりも。けしかけてるだけじゃねえか。
そこがいかにも落語らしくてとてもいい。

本日、鯉八ファンの多くが粋歌さんのこと好きになって帰っていったのだろうな。傑作ですから。



仲入り



●瀧川鯉八『新日本風土記』
女性客全員にTシャツ、男性客には手拭いを差し上げるとの発表に客席騒然。太っ腹すぎる。

噺は、これはもう心の底から驚いた。人情噺なんだ。

九州の農村でコメ作りをずっと続けてきた「じっさま」と、それを支えてきた「ぱっさま」の思いが、本当に、繰り返すが本当に泣けるのよ。泣いている人何人もいたよ。ほんとだよ
ばっさまが途中まで伴侶というよりは子どもか孫に見えてしまうのが難点だが、四季折々の農村風景の描写ときたらもうこれが大変に美しい。季節の描写が心象に重なる切なさといったら。

そして、19分30秒くらいを美しい農村の暮らしと夫婦愛で引っ張っといて、残り30秒でその涙がすべて無駄になってしまうという強烈などんでん返し。さっきまでしんみりしていた客席は突然の大爆笑にもはやどうしたらいいかわからない状態。もはや異常なグルーヴが終演後のらくごカフェにぐるぐると。

鯉八さんの傑作『暴れ牛奇譚』と同じで、筋や意味を求めるものは落語ではなく、限定された時間の中でどれだけ客の心を引っ張り込めるか、どこか違うところへ連れて行ってくれるか、落語とはそういう芸能だということを表現している「メタ落語」としても楽しめる。荒っぽく言うと『三方一両損』『鰍沢』と同じなんですよ。


それにしても充実した落語会であった。空想の鯉八・観察の粋歌。どちらも独自の世界をしっかりと築き上げ、僕らを連れて行ってくれる。いいなあ。


そして新作カフェさん、センスがいい。
新作カフェ瀧川鯉八01
新作カフェ瀧川鯉八02
ハートの切り抜きが可愛い。このプログラムはほとんど役に立たなかったけどね。

いや、ともかく、たのしかったです。今度は粋歌さん独演会に鯉八さんというのはどうだろうか。
 

m_shike at 09:30コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2014年11月30日 02:31
ワタクシ会の冒頭から鯉八さんに購入したDVDのジャケットを見せつけてみました。
はたして本人はどうするか…
まさかのTシャツの時に報復に合うとは…
“俺ほめ”って“ん廻し”の骨組みですよね。
内容が内容だけに油断してると気づかなかったりします。
そんなこと考えて聞いてみると、鯉八さんの噺 構造や登場人物がちゃんと落語してたりしますね。
“新日本風土記”松之丞さんの“トメ”と裏表な感じがしております。
2. Posted by 4k    2014年11月30日 16:17
あー確かに『ん廻し』ですね。
鯉八さんの落語に対するアプローチは「根源的」という意味でラディカルだと思います。回答に対してのリアクションに重きが置かれているのが鯉八ワールドですね。吉笑さんだったら、んの「数」で田楽が貰えるというところに注目しそうですね。

落語から遠いと見せかけて落語の根源に迫る鯉八さん。
古典落語を取り込みながら巧みに映画的(東宝サラリーマン喜劇とか、松竹ホームドラマとか)な世界を展開する粋歌さん。
どちらも大好きです。

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