2014年10月16日
熟練のひとり寄席 門前 駿菊 はなしの会 -蔵出し- 第一回 2014/10/13 古今亭駿菊
先日のDAIENKAIで会場となった西新井大師参道の料理屋・武蔵屋で駿菊師が独演会をやる、しかも木戸銭1000円。しかも祝日。
行きますともさ。
台風来ているのにお客もいい入りで。
門前 駿菊 はなしの会 -蔵出し- 第一回 木戸銭1000円
古今亭駿菊『前説』
古今亭駿菊『出来心』(序)
古今亭駿菊『しびん』
仲入り
古今亭駿菊『山崎屋』
●古今亭駿菊『前説』
幕が開いてちゃんと高座に座って、会の趣旨説明。
「
持ちネタ200でもふだん使うのは20+季節ネタくらい。このタイミングで蔵出しをしておきたい。こちらの都合でやる事なのでご満足いただけないこともあるかもしれないので木戸銭は1000円にした。前座噺・中くらいの噺・大ネタを掛ける。ということで改めて出るので。
」
と、袖に一度引っ込む師匠。
●古今亭駿菊『出来心』(序)
出囃子が『前座の上り』なるほどこれは駿菊師のひとり寄席か。
師匠の故・古今亭円菊師に最初に習った噺だそうだ。その初心を思い起こすかのように、余計な入れごとは入れず、しかし熟成した語り口の妙で笑いを取る。多分しばらくやっていなかったのだろう、多少リズムが崩れそうになったところもあったが、うまい真打の前座噺ってのはいいものです。
花色木綿のやり取りの前で切れたのは惜しいが、時間を考えればこちらで正解かと。
円菊師の稽古は本当に厳しかったそうだ。最初の「えー」から何度も直されたと。
●古今亭駿菊『しびん』(花瓶)
一度降りて、今度は袴をつけて登場。
実は生で聴くのは初めてだったが、いいネタですなあ。
終盤、一瞬講釈ネタか人情噺かと思わせるシーンがあって、グッと来てしまう。でもそれは一瞬で、あとはただただ滑稽な噺。ただこの「一瞬」で、あー師匠の人情噺も聴いてみたいなあと思ってしまった。
仲入り
●古今亭駿菊『山崎屋』 (よかちょろ〜山崎屋)
ネタ出し。実はあんまり好きじゃなかった。『よかちょろ』で終わっていいじゃないのと思ってた。
『よかちょろ』なら立川談吉さんで何度も聴いていていて、調子の良さと歌の明るさで何度聞いても楽しい。 あとの展開は余計じゃねか、と思っていた。
ところが駿菊師が演ると面白い。むしろ後半面白い。そんなに笑える要素はないのに、なんというか落語の世界にゆったりと浸かっている気分になれるのだ。粋で間抜けでそれぞれ欲丸出しだけどそんなに悪いこともできない 人たちが、粋で間抜けな生き方をして許されている。そんな雰囲気を楽しんでいる自分がいた。
大ネタより前座噺のほうが大変そうなのが、いかにもベテランのひとり寄席。これがまた楽しいところ。
たった1000円で楽しめてしまう。
次回は来年だそうで、楽しみ。『九州吹き戻し』『豊竹屋』やってくれないかなあ。
幕が開いてちゃんと高座に座って、会の趣旨説明。
「
持ちネタ200でもふだん使うのは20+季節ネタくらい。このタイミングで蔵出しをしておきたい。こちらの都合でやる事なのでご満足いただけないこともあるかもしれないので木戸銭は1000円にした。前座噺・中くらいの噺・大ネタを掛ける。ということで改めて出るので。
」
と、袖に一度引っ込む師匠。
●古今亭駿菊『出来心』(序)
出囃子が『前座の上り』なるほどこれは駿菊師のひとり寄席か。
師匠の故・古今亭円菊師に最初に習った噺だそうだ。その初心を思い起こすかのように、余計な入れごとは入れず、しかし熟成した語り口の妙で笑いを取る。多分しばらくやっていなかったのだろう、多少リズムが崩れそうになったところもあったが、うまい真打の前座噺ってのはいいものです。
花色木綿のやり取りの前で切れたのは惜しいが、時間を考えればこちらで正解かと。
円菊師の稽古は本当に厳しかったそうだ。最初の「えー」から何度も直されたと。
●古今亭駿菊『しびん』(花瓶)
一度降りて、今度は袴をつけて登場。
実は生で聴くのは初めてだったが、いいネタですなあ。
終盤、一瞬講釈ネタか人情噺かと思わせるシーンがあって、グッと来てしまう。でもそれは一瞬で、あとはただただ滑稽な噺。ただこの「一瞬」で、あー師匠の人情噺も聴いてみたいなあと思ってしまった。
仲入り
●古今亭駿菊『山崎屋』 (よかちょろ〜山崎屋)
ネタ出し。実はあんまり好きじゃなかった。『よかちょろ』で終わっていいじゃないのと思ってた。
『よかちょろ』なら立川談吉さんで何度も聴いていていて、調子の良さと歌の明るさで何度聞いても楽しい。 あとの展開は余計じゃねか、と思っていた。
ところが駿菊師が演ると面白い。むしろ後半面白い。そんなに笑える要素はないのに、なんというか落語の世界にゆったりと浸かっている気分になれるのだ。粋で間抜けでそれぞれ欲丸出しだけどそんなに悪いこともできない 人たちが、粋で間抜けな生き方をして許されている。そんな雰囲気を楽しんでいる自分がいた。
大ネタより前座噺のほうが大変そうなのが、いかにもベテランのひとり寄席。これがまた楽しいところ。
たった1000円で楽しめてしまう。
次回は来年だそうで、楽しみ。『九州吹き戻し』『豊竹屋』やってくれないかなあ。