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2014年06月09日

歌とイリュージョンと談吉 第六回談吉百席 2014/06/07 立川談吉


この会も数えて六回目。ボランティアスタッフとはいえ何を掛けるかは教えてくれない(そりゃそうだ)。
今回は一つ当てました。

それも含めて、大変に楽しく、また非常に興味深い会でございました。
dahkiti06

立川談吉『かぼちゃ屋』
立川談吉『仏四噺』

仲入り

立川談吉『大工調べ』(通し) 
 

●立川談吉『かぼちゃ屋』
まくらは多少ぐるぐる。噺の糸口を探りながら。
『孝行糖』をあそこまでうまくやる談吉さんだから、この噺も行けるだろうと思ったけど、行けましたね。
「ライスカレーは」も、さらっと流して、あくまでリズムとメロディで攻めるのが談吉さん。

けっこうでございました。柳家だなあ、とか


●立川談吉『仏四噺』
先日のネタおろしが好評だったと聞いてたので、これを掛けると思っておりました。
いやあ、なんというか、思っていた通りのものが出てきたというか。

一言で言っちゃうと、イリュージョン新作落語。
あとでご本人が「鯉八さんの世界に近いですかね」とか言っていた。

近いところもあるかもしれないが、鯉八さんの落語が物語を構築してはぶん投げたり、物語が始まる手前で逡巡してちっとも始まらないのは、おそらく落語がそもそも持っている「ほんとはストーリーなんてどうでもいい」という構造にラディカルに迫ることで、落語というジャンルの概念拡張を目指しているのではないかと思う。

これに対して談吉さんは家元の弟子として落語にイリュージョンを持ち込んでいる。つまりえらそうに意味ありそうなことを喋っていてもしょせん言葉の意味なんてたかが知れていて幻影のようなものに過ぎない、だからこそ意味がなくったって人間は笑うんだ、というラディカリズムだ。小難しいことを書いているがコサキンが好きな人ならすぐわかる。「意味ネェ〜」だ。

ここで素晴らしいのはこのようなラディカルな噺が、きっちりといつもの談吉さんのリズムとメロディで語られることだ。客は「この噺なんかへんだ」と思いながら耳触りの良さが敷居を下げてくれる分、異次元の落語世界にするりと吸い込まれてしまうのだ。

家元のイリュージョン落語『松曳き』なんかがお好きであれば、存分に楽しめるでしょう。
それは私なんですが。

こういう新作を作れる人だと思っていたので嬉しい。受けていたし。

それにしても春吾・談吉・吉笑という立川流の若い世代に『談志円鏡の歌謡合戦』がここまで影響を与えているというのも凄い話だ。


仲入り


●立川談吉『大工調べ』(通し) 
何が素晴らしいって、きっちりと言い立てをやりきったにもかかわらず中手(噺の途中の拍手)が来なかったこと。啖呵で拍手ってなんか違和感あったんですよ。予定調和だし。
 
談吉さんの場合、すらすらと啖呵が切れても、それは『大工調べ』 という歌の一つのフレーズでしかない。おらおら俺の口はよく回るだろと見せびらかすような演出はしない。一方で声のトーンをほとんど変えず口調でのみ人物をきれいに描き分けるあたりは本格派だなあと思う。そこにちらっとイリュージョンっぽいクスグリが入ったりするのもファンとしては嬉しい。

聴き手に余計な負担をさせず、流れるように軽く楽しい大工調べ。これからもっと磨かれることだろう。



というわけで今回の談吉百席は、談吉さんの武器である歌い調子と先鋭的な言語感覚がうまく前に出ていて、しかも客にちゃんと評価されていた。素晴らしいとおもいましたよ。

 

m_shike at 09:30コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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コメント一覧

1. Posted by ますめっど   2014年06月15日 12:57
途中から見たのですが、それでもこの会がよい会というのが、伝わってきました。
映画効果か故郷凱旋効果なのか、談吉くんがひとつ階段を登ったな。
そう感じましたね。
2. Posted by 4k    2014年06月15日 15:57
ますめっどさん

まず、ボランティアスタッフとして、来場御礼申し上げます。

全く同じ感想です。二ツ目昇進時の向う見ずな高校球児155km/hみたいなピッチングから、よりプロっぽい配給を覚えて、その分自分の個性も押し出せるようになってきました。さらにこれから楽しみです。

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