2013年06月02日
女子会で粋歌新作に大爆笑 たけのこレシピvol.32 すいかの女子会 6回目 2013/06/01
過去二回聴いた新作がどちらも抜群に面白くて、いつか会に行きたいと思っていたけどなかなか都合合わず、今回やっと来ることができた三遊亭粋歌さんの会。
初めて「女子会」に参加したら、大量のおっさんがいて、びびりました。
終演後の懇親会で粋歌さんと一蔵さん。
三遊亭粋歌『たらちめ』(垂乳根)会場は、柳家花緑師の会でも有名な、日本橋藪伊豆。
春風亭一蔵『夏泥』
三遊亭粋歌『山奥カフェ』
仲入り
三遊亭粋歌『影の人事部』
●三遊亭粋歌『たらちめ』(垂乳根)
古典を聞くのは初めて。しっかりしてますね。声の出し方を新作とは変えているような。でもこの後の新作二連発があまりにも凄まじかったので、印象はかすんでしまった。三席のうち一作は軽めの古典をかけるのはいいバランス。
ところで『たらちめ』は三遊亭の表記なんですかね?
●春風亭一蔵『夏泥』
まくらの肝心なところで噛んでしまいものすごく落胆していた。深夜寄席のデビューに続いての夏泥は、あちこち荒いところがあるものの、貫録と安心感が感じられる。ほかの話も聴いてみたい。
●三遊亭粋歌『山奥カフェ』
白鳥作『山奥寿司』の改作。改作と呼ぶべきでしょうね。前日にWomen's落語会でネタおろししてきたそうな。白鳥師の稽古は通信教育なんだそうだ。
以前、同じ白鳥作『恋するヘビ女』が滅茶苦茶面白かったので、内心『よーし』と思っていたら、ちゃちな僕の期待なんか完全に上回りました。
まず最近のパンケーキブーム、それもエッグスンシングスなんかを無理なくさらりと落語に持ち込む現代感覚、そして奇想天外な白鳥世界を、その確かな語り口と卓越した演技力をもって完全に「自分のもの」として提供できるあたり、本当に素晴らしい。「寄席で掛けられないから、この噺は今日が最後」って、それはもったいない。深夜寄席なら大爆笑間違いないのに。
でも落語協会の二ツ目さんは人数多いからなかなか深夜寄席出られないんだよなー。
仲入り
●三遊亭粋歌『影の人事部』
自作。あまりの面白さにしばし呆然となるくらい爆笑。落語にはまった35歳主人公OLや「これってセクハラだな」とセクハラする上司から、仕事サボりまくりでちょっと注意するとツイッターで「まじヴぜぇ」とつぶやく後輩社員、
謎の管理人(詳しく書けない)など、とにかくキャラ一人一人が強烈に面白くてリアルなのに、ちゃんと落語の登場人物になっている。
主人公が「今日に限ってスカートをはいてきた理由」なんて男じゃ絶対書けないリアリティがあり、そこにバカ後輩が「あ、彼氏できたんっすねー」とうざく絡むというわかりやすい展開の上に、落語的にぶっ飛んだ展開を絡めてくるからもう堪らない。特にクライマックスで主人公が切る啖呵が、その内容も語り口も素晴らしくて、いやもうほんと、ボテ腹の僕にもくびれができてしまうのではないかと思うくらい腹捩じらせて笑いました。
いま生きている人たちのささやかな日常の中から、落語的な荒唐無稽へとジャンプする。
大師匠・円歌師と、円丈チルドレン≒SWA、この二つの「新作の系譜」の正当な継承者なんだろうなあ、粋歌さんは。パフォーマーとしても作家としてもすごいと思いますよ。いや僕なんかがほめなくても既に喬太郎師も白鳥師も粋歌さんの才能を買っているわけですよ。
もうね、CREAとか「らくこのらくご」みたいな女性限定落語会は絶対に粋歌さんを呼ぶべき。特にアラサーOLが「自分たちの話」として楽しめる落語、受けますって絶対。笑えるだけじゃなくて、共感できるはず。
今日を含めて、これまで聴いた新作は白鳥作『山奥カフェ』『恋するヘビ女』と『人祓い神社』『影の人事部』どれも全く外れなし。
この他にも『銀座ナマハゲ娘』とか、まだまだ聴いてみたい噺があるんだよなあ。
落語の後、希望者には藪伊豆のお蕎麦とお酒を。このお料理にもり蕎麦がついて1500円はお得。粋歌さん・一蔵さん、他のお客さんと楽しいお喋りをさせていただきました。なぜか岡田あ〜みんの話が盛り上がっていた。一蔵さんは粋歌さんの新作聴くの初めてだったんだって。一緒に前座修行した先輩後輩でも、二ツ目になると同時に寄席に出ることはほとんどないだろうから、そんなもんなんでしょうね。
以前来店したチャン・グンソクのサインだそうです。
また、こちら藪伊豆で毎月開かれている落語会『たけのこレシピ』には初めて寄らせて頂いたわけだけど、細かいところに神経が行き届いた運営が素敵でございました。こちらの記事もどうぞ。
【落語会 陰の演出者たち】(20)ボランティアで年間24回も 村崎かおりさん+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
古典を聞くのは初めて。しっかりしてますね。声の出し方を新作とは変えているような。でもこの後の新作二連発があまりにも凄まじかったので、印象はかすんでしまった。三席のうち一作は軽めの古典をかけるのはいいバランス。
ところで『たらちめ』は三遊亭の表記なんですかね?
●春風亭一蔵『夏泥』
まくらの肝心なところで噛んでしまいものすごく落胆していた。深夜寄席のデビューに続いての夏泥は、あちこち荒いところがあるものの、貫録と安心感が感じられる。ほかの話も聴いてみたい。
●三遊亭粋歌『山奥カフェ』
白鳥作『山奥寿司』の改作。改作と呼ぶべきでしょうね。前日にWomen's落語会でネタおろししてきたそうな。白鳥師の稽古は通信教育なんだそうだ。
以前、同じ白鳥作『恋するヘビ女』が滅茶苦茶面白かったので、内心『よーし』と思っていたら、ちゃちな僕の期待なんか完全に上回りました。
まず最近のパンケーキブーム、それもエッグスンシングスなんかを無理なくさらりと落語に持ち込む現代感覚、そして奇想天外な白鳥世界を、その確かな語り口と卓越した演技力をもって完全に「自分のもの」として提供できるあたり、本当に素晴らしい。「寄席で掛けられないから、この噺は今日が最後」って、それはもったいない。深夜寄席なら大爆笑間違いないのに。
でも落語協会の二ツ目さんは人数多いからなかなか深夜寄席出られないんだよなー。
仲入り
●三遊亭粋歌『影の人事部』
自作。あまりの面白さにしばし呆然となるくらい爆笑。落語にはまった35歳主人公OLや「これってセクハラだな」とセクハラする上司から、仕事サボりまくりでちょっと注意するとツイッターで「まじヴぜぇ」とつぶやく後輩社員、
謎の管理人(詳しく書けない)など、とにかくキャラ一人一人が強烈に面白くてリアルなのに、ちゃんと落語の登場人物になっている。
主人公が「今日に限ってスカートをはいてきた理由」なんて男じゃ絶対書けないリアリティがあり、そこにバカ後輩が「あ、彼氏できたんっすねー」とうざく絡むというわかりやすい展開の上に、落語的にぶっ飛んだ展開を絡めてくるからもう堪らない。特にクライマックスで主人公が切る啖呵が、その内容も語り口も素晴らしくて、いやもうほんと、ボテ腹の僕にもくびれができてしまうのではないかと思うくらい腹捩じらせて笑いました。
いま生きている人たちのささやかな日常の中から、落語的な荒唐無稽へとジャンプする。
大師匠・円歌師と、円丈チルドレン≒SWA、この二つの「新作の系譜」の正当な継承者なんだろうなあ、粋歌さんは。パフォーマーとしても作家としてもすごいと思いますよ。いや僕なんかがほめなくても既に喬太郎師も白鳥師も粋歌さんの才能を買っているわけですよ。
もうね、CREAとか「らくこのらくご」みたいな女性限定落語会は絶対に粋歌さんを呼ぶべき。特にアラサーOLが「自分たちの話」として楽しめる落語、受けますって絶対。笑えるだけじゃなくて、共感できるはず。
今日を含めて、これまで聴いた新作は白鳥作『山奥カフェ』『恋するヘビ女』と『人祓い神社』『影の人事部』どれも全く外れなし。
この他にも『銀座ナマハゲ娘』とか、まだまだ聴いてみたい噺があるんだよなあ。
落語の後、希望者には藪伊豆のお蕎麦とお酒を。このお料理にもり蕎麦がついて1500円はお得。粋歌さん・一蔵さん、他のお客さんと楽しいお喋りをさせていただきました。なぜか岡田あ〜みんの話が盛り上がっていた。一蔵さんは粋歌さんの新作聴くの初めてだったんだって。一緒に前座修行した先輩後輩でも、二ツ目になると同時に寄席に出ることはほとんどないだろうから、そんなもんなんでしょうね。
以前来店したチャン・グンソクのサインだそうです。
また、こちら藪伊豆で毎月開かれている落語会『たけのこレシピ』には初めて寄らせて頂いたわけだけど、細かいところに神経が行き届いた運営が素敵でございました。こちらの記事もどうぞ。
【落語会 陰の演出者たち】(20)ボランティアで年間24回も 村崎かおりさん+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
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コメント一覧
1. Posted by Tam 2013年06月04日 15:48
私も粋歌さんに注目しています!Woman's落語会では「山奥カフェ」でトリを取り、最初は緊張していた様なのですが、爆笑を取っていました。荒唐無稽な噺なのに、聴き手を引きこむ力が白鳥さんを彷彿をさせます(ちなみに白鳥さんに噺を聴いて貰う時には今どきカセットテープで提出してくるとか。一左さんとの勉強会でかける古典もなかなかですし、もっと売れても良い人ですね。
2. Posted by 4k
2013年06月05日 14:59
コメントありがとうございます。粋歌さんの新作はドラマ化できそうなしっかりした構成があって、さらに仰るような引き込む力、演技力がありますよね。もっと売れてもらいましょう!