『シェアする落語』次回は7/7です。

2013年04月02日

果敢なふたり『こはる十二支の会 巳年 壱』 立川こはる、神田松之丞 2013/03/30


十二支の会ってなんだと思ったら。
毎年違うゲストと年三回、十二年間やる企画なんだって。
途中で真打になっちゃうな、こはるさん。

今年のゲストは、講談界若手期待の星、神田松之丞さん。

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立川笑二『子ほめ』
立川こはる『三方一両損』
神田松之丞『慶安太平記 正雪の生い立ち』

仲入り

立川こはる・神田松之丞『対談』

神田松之丞『慶安太平記 楠不伝闇討』
立川こはる『蒟蒻問答』

 

●立川笑二『子ほめ』
時間が短かったせいか、なんか仕込み忘れがあったような。意図的に飛ばしたのかもしれないけど。いつもの調子で、受けてはいました。


●立川こはる『三方一両損』
高円寺の勉強会で聴かせてくれるような、長く楽しく落ちのないまくら。会の趣旨(12年で一回りする。二回りまで考えると24年かかる)、卒業後10年経っているのに出入りしている大学の部室で稽古していると、たった今卒業してきた現役学生が酔っ払って乱入し…みたいな話。

噺の方は昨年のなまらく千葉きぼーる最終回の時よりさらにテンポが良くなかった前半、なぜかややだれた後半、落ちはリズム崩して着地にちょっと失敗。


●神田松之丞『慶安太平記 正雪の生い立ち』
久しぶりの松之丞さんで凄く期待していた。まくらできちんと笑わせて「立川流ファンにはおなじみの慶安太平記を最初からやる」と。おおっ!と思ったところで暖房直撃の咳であったこともあり、悔しいことに寝てしまった。前のほうで寝るのは演者に申し訳ない。ほんとすみません。
最後に「皆様お疲れでございますので」と言ってたけど、あれは俺のことだなあ。申し訳ない。


仲入り コーヒー買いに行きました。


●立川こはる・神田松之丞『対談』
気の合う芸人二人の止めどもない雑談だけど面白い。
「最近の若い芸人の中には芸について知らなすぎる人がいる。笑二くんは講談に全く興味ないし、芸協のなかには家元の顔すらわからない前座がいる」「談春師匠は落語会を変えつつあるけど、講釈師になっていたら講談界も変わったことだろう(これは家元もそうだよね)」などなと。


●神田松之丞『慶安太平記 楠不伝闇討』
先ほど大変悔しい思いをしたので気合入れて臨む(ほんとはコーヒー飲んだ)。

いやぁ、面白い!

とにかくおどろおどろしい、悪い奴がひたすら悪事を働いてまんまと成功しちゃう話なんだけど、その悪者っぷりがもうギラギラしていて超カッコイイ。こんなエグい話をニヤニヤしながら聴く俺はきっと悪党だな。いやだらしなくて悪党になれない男だ。

落語は基本的に失敗する噺が多く、江戸っ子の美意識を重視するので、圓朝噺などの例外を除いて欲望剥き出しの人間がそんなに出てこないですからねえ(出てきても夢落ちで落としちゃう)。この講談かっちょいいですよ。これは次も聴かないとだわ。


●立川こはる『蒟蒻問答』
師匠得意ネタに挑戦、かな?
まずまず楽しかったですが、いやあ、難しい噺なんですねえ。地語り、特に問答に入る前の寺の描写がちょっと不安定かなあ。あのあたりが大事なんだと再確認。

でも人物はまずまず描けているし、もっと描けると思うので、これから磨けば売り物にもなりそうな予感。



と言うわけで、こういう野心的な企画に若手が取り組むその出発点に立ち会えたのは良かった。松之丞さんはもっと聴かなきゃいけない。もう寝ないぞ。

次回は6月23日日曜日、セームタイム・セームプレイスだと思います。
今回、満員に近い入りだったのでこちらから予約したほうがいいと思いますよ。
koharu12_01


m_shike at 21:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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