『シェアする落語』次回は7/7です。

2012年11月25日

この弟子たちを見よ!立川流 追善落語会3日目昼『立川流誕生前の巻』 2012/11/23


よみうりホールはもちろん満員。
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でかいホールのちょうど真ん中くらいの席で、楽しませていただきました。
『立川流誕生前の巻 』
2012/11/23(金祝) 12:00開演

『一門挨拶』
立川談幸『片棒』
立川龍志『家見舞い』
柳家小菊『俗曲』
立川志の輔『バールのようなもの』

仲入り

桂文字助『谷風情相撲』
毒蝮三太夫 立川左談次『毒蝮三太夫ショウ』
立川談四楼『人情八百屋』 


『一門挨拶』
あの広いよみうりホールの舞台を横いっぱいに使って広がる19人。談春師とぜん馬師が欠席。
中央に鎮座する代表の土橋亭里う馬師が司会役 。その隣、しばらく見ていなかった桂文字助師がいつものように白髪をピン止めせずしかも山羊のような白ヒゲを伸ばしていたからびっくりした。孫弟子入れると50人くらいになるそうだ。
並びは入門順で、談笑師が意外と外側にいることで出世が早かったことがよく分かる。生志師が紹介で飛ばされる一幕もあったけど、あんなに一杯いたら順番なんか覚えられないよ。 


立川談幸『片棒』
いつものニコニコと安定した談幸師。前にも聴いたまくらだけど「私は内弟子で2年半ずっと師匠の食事を作ってました。ようやくこれが去年……」で大笑い。
 

立川龍志『家見舞い』
「選挙運動用の運転手として弟子にしてもらった」と思い出を語り、「サゲは師匠が変えたものです」とこの噺へ 。嫌いな噺ですが龍志師がやると笑っちゃう。ドジな江戸っ子の可愛らしさがたまらんですね。
 

柳家小菊『俗曲』
寄席の冬の風物詩「2分30秒の忠臣蔵」。品川甚句は家元に勧められて歌うようになったと。なんかこの方、お歳召されるほどに色っぽい。


立川志の輔『バールのようなもの』
まくらで前座兼運転手時代の話「交通違反が揉み消せなくて国が守れるか!」。「師匠のやかんをコピーしようとしたがうまく行かない、お前はお前のやかんを創れと言われてこしらえたこの噺を師匠は褒めてくれた」とこの噺へ。『シェアする落語』で談吉さんが「いつかああいう自分の『やかん』をやってみたい」と言っていたなあ。傑作ですね。


仲入り


桂文字助『谷風情相撲』
今度は白髪ピン止めして登場。スパンとまくらなしでこの語り口。ただうっとりと聞き惚れる。素敵ですねえ。江戸言葉の魅力を堪能。またトリの時に広小路行かなくちゃ。


毒蝮三太夫 立川左談次『毒蝮三太夫ショウ』
小ゑん時代の家元に結婚式の司会を頼んだ話から、長年の愛憎こんがらがった家元との思い出をからっと明るく。左談次師の受けがまた絶妙で。

 
立川談四楼『人情八百屋』
 自分の出番が近いのに『柳田格之進』の落ちについて一緒に考えてくれたという家元との思い出話から、家元に勧められたというこの噺へ。
時間があったせいか、いつにも増して丁寧な描写に、だらだら涙流れっぱなし。

気のせいだと思うけど「兄弟は離れてはいけません」という八百屋さんのセリフが、「流れ解散」も噂されていた立川流が、こうして結束している理由を暗示しているような気がした。



それにしても振り返ってみればあっという間、なんとまあ贅沢な時間だことよ。 


映画になったりCDが出たりネットコンテンツになったりと、家元が生前残した「作品」はまだまだ売れているみたいだけど、僕としては家元のもう一つの傑作である弟子たちの活躍ぶりを生で楽しむ人がもっと増えて欲しい。たとえば文字助師のあの語り口に初めて触れて魅了された人が、日暮里や上野広小路に足を運ぶようになってほしい。

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とか言いつつ、僕も週刊新潮のグラビアで若き家元の姿見て、やっぱり涙出てきちゃうんだけどね。

m_shike at 12:30コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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