『シェアする落語』次回は7/7です。

2012年11月18日

正太郎の暖かさ 深夜寄席2012/11/17(落協)


折からの大雨で客足が心配されたけど、客席はほとんど埋まっていたし、桟敷もまずまず。
末廣亭深夜寄席11月17日 落語協会

柳家喬四郎『クリスマスプレゼント』
初音家左吉『ぼやき居酒屋』
柳家小権太『天狗裁き』  
春風亭正太郎『佐々木政談』
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●柳家喬四郎『クリスマスプレゼント』
前に鈴本早朝寄席で聴いたネタ(そのときは『プレゼント』だった)。あの時は持ち時間がない中で思いっきりひっつめてやっていたせいか、それなりに笑えた記憶があるけど。うーん。主人公が全部説明しちゃう噺は苦手だなあ。

もう少し人物を描写してくれるといいんだけど。誰ひとりそのキャラクターに見えてこない。
「落語全然知らないです」という主人公が、その直後に「主人(彼氏だったか?)に釣られて聴いたことがある」と『たらちね』の一部を再現しちゃうってのはどうなんだろう。落語なんだから何が起きてもいいけど、ちょっと乱暴な。

来年秋真打昇進ですか。うむ。

客席で、先取りしてたらちねを再現していた人がいました。うるさいからやめてください。ほんとに、やめてください。客は落語聴いてりゃいいんです。


●初音家左吉『ぼやき居酒屋』
自己紹介が一番受けていた。うん、そっちのほうが永ちゃんより似てます。
去年の年末だったかなあ、前に聴いたときに比べて、ダジャレを大量に投入し、他にもさまざまな工夫をしているのは良いと思う。が、なぜか笑いが単発で続かない。
主人公のキャラをもう少し立たせたせた方がいいのかもしれない。


●柳家小権太『天狗裁き』
出てくると途端に空気が変わる。ピシッとする。
こちらも真打昇進内定。芸名に関する話が受けてまくらはばっちし。
噺の方もしっかりした語り口で安定して良かった。
ただ、この噺だと、どうしても僕はさん喬師匠と比較しちゃうので、うん。
もっといろんな人の『天狗裁き』を聴かないと駄目だな。


●春風亭正太郎『佐々木政談』
前に池袋でたいこ腹聴いてからずっと好感持っていた。
この日初の待ってましたが掛かり、僕もつられて言ってみたよ。

いいなあ。
口跡もよくて仕草も滑らか。まんじゅうを食べた後の着物を払うところなんて素晴らしい。凡な私はふだんそんなとこ気が付かないからね。
技術レベルの高さももちろん、噺全体が大らかで、まるで小春日和のように暖かい。
やはり、意図してやってるのね。大したものだ。
生意気な子どもを見る暖かな視点という意味では、あんまり好きじゃない『初天神』なども聴いてみたくなった。

こういう雰囲気を作れる人は、多少毒のある噺やっても嫌味にならないだろうから、そういう噺もいいかもね。先が楽しみな方です。


ちなみにイラストもメチャクチャうまいですよ。びっくりします。

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このムックの後半にいっぱい出てきます。

というわけで、そろそろ末廣亭の前に並ぶのも辛い季節になりそうですが、この日は正太郎さんに暖めてもらいましたよ。

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m_shike at 16:14コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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