2012年10月08日

四人ともいい! 深夜寄席(落協) 2012/10/06 #rakugo #落語


テイト西新宿の鯉昇師に大満足。勢いで博多ラーメンを食った後、新宿の某所にこもってお仕事。8時半を過ぎたところで歩きだし、人混み掻き分けながら三丁目のほうへ。

落語協会の文菊師・志ん陽師真打披露が終わった後の深夜寄席。

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ポツリポツリと降り出した雨が、末廣亭の前に列に並んだあたりから豪雨に。
後ろに並んでいた傘のない女の子二人がずぶ濡れになりそうなところで、出演者のひとりがビニール傘を持ってきた「ないしょですけど、これ〇〇師匠のですから、ちゃんと返してくださいね」。後でまくらにしてました。

すぐにもう一人女の子が来て、近所のコンビニで傘買ってきて無事返却。

それにしても凄まじい雨。傘さしていてもびっしょり濡れた。
 
三遊亭時松 『お血脈』
台所鬼〆 『愛宕山』
三遊亭粋歌『恋するヘビ女』(作 三遊亭白鳥)
桂才紫『目黒のさんま』



●三遊亭時松『お血脈』
久しぶり時松さん。まくらで根室までさんま定食を食いに行った話が出たのであの噺かと思ったら、今度は旧信越本線の話から(要するに鉄なのね)、善光寺につなげて『お血脈』。
地語りに安定感があるので現代風のギャグを入れてもリズムが崩れない。こうやって久しぶりに聴かせてもらって、進化が感じられるのは嬉しいもの。


●台所鬼〆『愛宕山』
初めて。痩せていて愛嬌ある顔してどっか不器用そうな、ああ、こんな落語家さんっていたよねえ。という風情。 まくらはほとんど振らず長めのこの噺に。
 
いい意味での懐古調というか、語り口はさっぱりしている。それでいて「かわらけ投げ」や縄を引っ張るあたりは大熱演で、メリハリあってなかなかいい。欲を言えば旦那がもう少し旦那らしいといいんだけど、今日のところは満足。


●三遊亭粋歌『恋するヘビ女』
期待通り面白かった!
さっきの「借りた傘を貸す」いきさつをちらっと振った後「今日は三遊亭白鳥師匠作の『恋するヘビ女』」を演ります」と。
この噺がまず面白い。「失恋するたび帰郷してくる47歳のおばさん(ヘビ女)から、小学生男子が恋の手ほどきを受け、卒業式で女の子に告白する」という、もう設定からして白鳥師らしい訳分かんなさ。
これを粋歌さんが抜群の演技力で料理する。ヘビ女が煙草吸ってるだけで客が笑う僕も笑う。少年も少女も可愛らしいし、少女はちゃんとぶっ飛んでる。

ちょっと目立つところで噛んだのが本人にとっては反省点なんだろうけど、客にとってはどうでもいいレベル。8月の道楽亭で聴いた自作『人祓い神社』の中学生男子・アラサー女子家庭教師・ギャル巫女の演じ方も見事だったし、「いま生きているキャラクター」を描く新作派として、これからますます楽しみ。


● 桂才紫 『目黒のさんま』
すでにその技量には定評ある人だけど僕は初めて。いや、うまいですね。

まくらで、夜席の披露目で使っていた後ろ幕(『たまごの会後援会』贈)を紹介し「あたしも同じ『たまごの会』メンバーで志ん陽師匠とは紋が一緒ですから、名前差し替えちゃったらこの後ろ幕使えるんじゃないかと」

なるほど志ん朝っぽい語りだなと思ったら志ん朝一門。 
腹からしっかりと出てくる声と聴きやすい口跡。緩急も見事。
「隠坊焼き」の描写が細かくて、もうさんまが食いたくてしょうがなくなる。
ヘビ女も登場させて笑い取るのも寄席らしくていい。
こういう人はもう真打にしちゃったほうがいいなあと思った。その後ろ幕使っちゃえよ。


それにしても四人とも充実の高座で木戸銭500円というこの贅沢。集中豪雨に耐えた甲斐があった!
でもこうしてまたも有望二つ目に出会ってしまうと、追いかける人が増えることになって、あとが高くつくのかもね。


まあ、いずれにしてもこの日は5席聴いて500円ですから、奇跡みたいなもんですよ。ありがたい。


m_shike at 17:54コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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