2012年07月29日

僻みと嫉妬の不条理劇・瀧川鯉八 新宿末廣亭深夜寄席(芸協) 2012/07/28 #rakugo #落語


昨年のNHK放送新人コンクール決勝で自作の『雨傘和尚』を披露し鮮烈な印象を残した瀧川鯉八さんをぜひ聴きたいと思い、末廣亭へ。
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●三笑亭夢吉『鷺取り』
前に見たかなあ。
まくらは深夜寄席の定番である「深夜寄席の呼び込みに反応する人たち」。実に軽やかでノリがいい。
噺に入って、ノリはさらに快調。非常に軽やかに噺を転がして、ちゃんと爆笑を稼ぎ出している。上手いです。
しかしこの噺、いろんな型があるもんですね。
 
 
●瀧川鯉八『暴れ牛奇譚』
お目当ての鯉八さん。待ってましたの声がかかる。人気あるんですね。
いやあ、衝撃を受けました。
まくらの「ディスカバリーチャンネルのザ・インタビュー」も相当に面白かったけど、「ネットで前世を占うサイト」の話から始まった自作の噺がもうとんでもない。
 
村を襲う暴れ牛の大群に娘を生け贄を差し出す、とかいうと上方の『兵庫船』(鮫講釈の元)みたいに聞こえるけど全然違う。
 村の長老・副長老(新長老)・村娘タミコ・その他村人。これら登場人物全員がものの見事に人間がちっさい(笑)
もう僻みと嫉妬と嘲笑のオンパレード。

聴きようによってはものすこぐブラックな不条理劇で、鯉八さんの演じ方もかなり粘度が高いのだけど、不思議と嫌な感じがしない。笑えるからだ。
しかも噺は二重構造になっていて、落ちも見事に奇想天外。あんな落ち聴いたことない。僕なりに解釈するに「落語にとってストーリーなんてどうでもいいもんなんだよ」ってことかなあ。

僕は腹がよじれるほど笑ったけど、意表を突かれた人たちが口をぽかんと空ける、その「ぽかん」という音が聞こえるようだった。ぽかん。


●雷門花助『お見立て』
異様にどす黒い笑いの空気に包まれた客席をさらりと一転させ、郭の世界にご案内。
噺に入り空気が変わったところで前の噺の「タミコ」を引っ張り出すあたりもお上手ですなあ。
「お見立て」という言葉の仕込み方も巧妙で(ああいう型なのかもしれないけど、とても自然だった)、技量を感じる大変に結構な一席。


●神田きらり『源平盛衰記 扇の的』
昔、ぽっどきゃすていんぐ寄席で聴いたことがある「講談界の宮里藍」。
釈台を先輩の花助さんが持ってきたことについて、コントのようなやり取りをひとしきり。
落語聴きに来た人に講談やるのは難しいということで、最初は地ならし。「古典芸能が聞いたまま全部わかると思っちゃだめよ」というのには笑った。そうだよね。あ、こちらも「タミコ」引っ張り出してました。

途中NHK大河ドラマのタイトルを間違えて客に訂正されたりして崩れかけたが、何とか講談のテンションをキープ。ま、ちょっとぐだぐだだったかも。好きな声なのでまた聴きたい。


終演後は全員がお見送り。鯉八さんはCDを手売り。ええ、購入しましたとも。
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新宿末廣亭深夜寄席 ~百花繚乱編~

「もの凄く面白かったです」と、素直な気持ちを伝えておきました。
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僕としては大変珍しく、サインしてもらいました。
 
今回の深夜寄席は、レベル高くて大変楽しかったです。が、やはり鯉八さんの衝撃が大きい。凄いものを見た、と。


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180cm100kgあるらしい、瀧川鯉八さん。 

それでなくとも落語聴きすぎで、もうこれ以上マークする二ツ目さん増やしたくないんだけど、いるんですよねえ。こういう凄い人が。

翌日、このCDで『やぶのなか』という一席を聴かせていただいたわけですが、これがまた凄くて。
登場人物の僻み嫉妬が、斬新な仕掛けで絡み合っている。こんな落語が可能なのかって感じですよ。ぜひ聴いてみてください。


m_shike at 23:40コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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