2012年04月06日

二ツ目昇進記念 立川吉笑 説明会 (2012/04/01) #rakugo #落語


立川吉笑さんを初めて聴いたのは、昨年8月・立川談四楼師匠の独演会だった。
最初は『道灌』普通に達者な立川流前座だったけど、一か所ものすごくユニークなくすぐりがあって、面白いなーと思った。

続いて10月、やはり談四楼師独演会で、僕と同い年の前座・寸志さん初高座のあとに「寸志さんのファイティングスピリッツに感動したので僕もこの噺を掛けます」と『てれすこ・序』をやってくれたのだった。
 
これに衝撃を覚えた。頭の中をぐらぐら揺らされた。思わず

.@tatekawakisshou 立川吉笑が凄い!二つ目昇進文句なし!この人が今後どうやって進化するのか、どうやって落語の世界を拡張してくれるのか、楽しみでしょうがない。 #rakugoSun Oct 16 15:23:50 via twicca


とツイートしたくらいだ。

さらに年末の勉強会で『11月46日(カレンダー)』先日の勉強会では『舌打たず』を聴かせてもらって、僕の予感は確信に変わった。

落語界は凄い奴を取り込んだのだ。

とまあ、ひとりで盛り上がってますが、もういろんな人が吉笑さんの噂をしています。

聴いたことがない人は最速の昇進のことばかり言いたがりますが、その卓越したセンスは聴かなきゃわかりません。あたりまえだ。

というわけで説明会です。二ツ目昇進記念に開く会が『説明会』。
このセンスからして、グッときますね。落語がが二ツ目になって何を「説明」しようというのか。

立川吉笑説明会

立川吉笑『説明会』
立川笑二『たらちね』
立川吉笑『狸の恩返しすぎ』
仲入り
立川談吉『釜泥』
立川吉笑『鮫講釈』 


前日くらいまで「前売りで座席数50%くらいです」とかいっていたのに、蓋を開けたらほぼ満員(80名以上)。

最前列に陣取りました。

●立川吉笑『説明会』
スーツを着て登場。プロジェクターにPCからの映像を投影する、ふつうのビジネスプレゼンのスタイル。
ただ、そのプロジェクターの台に使われているのが、講談で使う「見台」というのがかなりレア。
同じくスーツ姿の笑二さんが冒頭ちょっと絡んでコントっぼく。

ソフトはなに使っているのかなあ。パワーポイントみたいなんだけど時々変な動きをする。ひょっとして別のアプリかも。

で、何を説明したかというと。
・二ツ目とは
・1年半で二ツ目になる方法
・今後の活動予定
・稽古日程
・理想の落語家像
・めくりについて

なとなど。
事前に簡単なペーパーの『資料』が配られているのだが、これがプレゼンの中で「訂正」される。
ここが笑いどころになる。
たとえば『資料』ではいろんな師匠に稽古つけてもらう日程が出ているのだが、訂正されてそれが全部なくなったりする。

イラストも多用しながらのギャグ連発は、ちょっとバカリズムを思わせるところもあるけど、とにかくおかしくておかしくて腹がよじれましたよ。

一応プリントアウトして舞台に持って行ったけどほとんど見なかった資料が1組あるんで、いずれ何かの機会にプレゼント企画をします... on Twitpicご本人のツイッター(twitpic)より。クリックして拡大。


ひとつだけネタばらしさせてください。

二ツ目とは何かということなんですが、

まず前座というのは(卵の絵が出てくる)落語家の卵ですね、
二つ目はですね、(大きな卵の絵が出てくる)大きな卵です。
そして真打は(さらに大きな卵の絵が出てくる)もっと大きな卵ということで

こんな感じ。こういうのが次から次へと出てくる。

なるほどなあ、こういう現代的な、人間の思考・意識を微分するようなお笑いのセンスをもって、この人は落語家を志したんだ。
実はこのセンス、家元・談志の「イリュージョン」にもつながってくる。
だってこれ家元の『やかん』に出てくる「思考ストップ」の話でしょ。「この世で一番大きな動物は象 もっと大きいのはもっと大きい象…」

などと感心したのは後の話で、聴いている間はひたすら笑い転げていた。

何が面白いって、この「説明」「訂正」を多くの客がちゃんとメモしているのね。本人も感激してました。

こんなちゃんとしたノートを書いている人もいるのです。
今日の説明内容をノートにまとめた。 on Twitpic  

落語会・寄席のメモについては、ほら、いろいろあるじゃないですか。メモ取るなんてどうなんだとか。
そのいろいろを逆手にとって「メモさせる」空間を作り上げたのは面白いなあ。


説明が終了して幕が引かれ、打ち込みのトラック(自作だそうだ)が流れると、やがてそれにかぶさる一番太鼓、二番太鼓、なかなかかっこいい音の演出。音楽的なセンスを感じる。

●立川笑二『たらちね』
落語会の雰囲気に戻すために登場。いつも通り柳家な、かわいく楽しい芸。

●立川吉笑『狸の恩返し過ぎ』
袴姿で登場「羽織は間に合いませんでした」。今回は主人公の性格をかなりいじってきた。前より髄分優しい男になっている。狸も一層可愛い。
落ちももう一段工夫してあって、いままで聞いた中で一番良かった。

仲入り

●立川談吉『釜泥』
ここでサプライズゲスト。大拍手。いちファンとしてはたまんないですね。昨日の末廣亭に続いて二日連続ですからね。出てくるだけで幸せになった。
昨日の権兵衛狸といいこの噺といい、お年寄りが出てくる噺にとても合う。柔らかく高めの声でゆっくり喋るのを聴いていると、ととても心地いい。

●立川吉笑『鮫講釈』
今度は羽織袴で登場。羽織は師匠談笑師のものだとか。最後にこうした本格的な難しい古典を持ってくところが心憎い演出。肝心の講釈はまあしっかり読み上げてはいたが、グルーヴを感じされるには至らず。修羅場には迫力が欲しい。生の講談をもっと聴いてみるといいのかもしれない。って俺そんなに聴いてないけどね。


噺を終えて最後にご挨拶、決意表明などしているところに登場した笑二さんから渡されたメモを読んでこう切り出した。「訂正がございます。先ほどムーブ町屋とご紹介しておりました10月の二ツ目昇進記念独演会ですが、国立演芸場でした」会場からうぉーっと歓声。

最後の最後まで手を抜かず、吉笑ワールドを作り上げた。
この男、ほんとに凄い。楽しみでしょうがない。


褒めすぎは気持ち悪いので一つだけ苦言を。
噺はこの調子でやっていればさらにうまくなる。
気になるのは着物。
一席目、襟の間から白いTシャツが見えていた。良くない。
二席目、羽織を着たせいか一席目ほどではないけど、やはり見えていた。

スーツの着こなしもいまいちだが、これはお金ないのだろうと勝手に弁護。でも、同様の企画をやるのであればちょっと考えたほうがいいかもしれない。

とはいえ、とはいえ、僕としてはちょっとテンションがおかしくなるくらい楽しい「説明会」だった。これからが、楽しみで楽しみでしょうがないのです。

関連リンク
説明会説明: 立川吉笑のブログ 
ごちそうさま! : 二ツ目昇進記念 立川吉笑 説明会 at お江戸日本橋亭




m_shike at 09:17コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 

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コメント一覧

1. Posted by Tam   2012年04月06日 11:28
いつも楽しくブログを拝見しています。

吉笑さんに注目している一人として、この説明会は凄く気になりつつも行けずに口惜しい思いをしていたので、興味深く読みました(読後、行けなかったことが更に口惜しくなりました)。

4/26の勉強会には行く予定です。また、ブログで吉笑さんと並んで推されている談吉さんも未見なので、4/20の勉強会に行ってみることにしました。
2. Posted by 4k   2012年04月09日 19:47
Tamさま

4kです。

まさに「そこに来れなかった人に、次回はぜひ行きたいと思っていただく」ために、このような記事を書いています。

ですのでこのようなコメントをいただけるのは本当に嬉しいです。
今後も談吉さんと吉笑さんには注目していくつもりですので、よろしくお願いいたします。

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