2012年03月11日
第五回らくご・古金亭(2012/03/03) #rakugo #落語
これは素晴らしい企画。
参集殿に伺ってみると前参列が座布団で後は椅子。椅子最前列を選択。
もう最高。プラチナ席ですよ。最近ホールの後ろのほうの席が多くてフラストレーションがたまっていたので、すぐ目の前の熱演が羨ましいったら。
金原亭駒松『道灌』金原亭馬治『湯屋番』隅田川馬石『按摩の信心』金原亭馬生『百年目』仲入り柳家小里ん(ゲスト)『お直し』五街道雲助『花見の仇討ち』
■金原亭駒松『道灌』
いやあこんなメロメロな前座久しぶりに観た。かえって楽しくなってしまった。いいんだよ前座なんだから。うまくなるよ。
■金原亭馬治『湯屋番』
たぶん初見。達者達者。妄想暴走はこのくらいブンブン暴走しないと面白くないよね。好きですよ。先代馬生のも生で見たかったけど。これで今日は満足です。
■隅田川馬石『按摩の信心』
不思議なことに初見。志ん生の演目復活だと。現代ではやりにくい盲人の噺を掛ける了見がいい。ただネタおろしのせいか、ちとトチリ多かった。
■金原亭馬生『百年目』
当代馬生も考えてみれば初見だ。志ん生・馬生・志ん朝の持ちネタ。個人的には円生のイメージが強いが。途中のお囃子も効果的でたっぷり楽しめた。穏やかに噛んで含めるような旦那の語り口が、しみじみといい。ひとつ間違えたら間延びしてしまいそうなぎりぎりの間で、人間の円熟を見せている(ような気がする)。でも長い噺だねえ。馬生師、終わったあと足しびれてたもん。寄席では掛けにくいだろうなあ。
仲入り
■柳家小里ん(ゲスト)『お直し』
この噺は古今亭だなあ。
雲助師は喜多八師に教えてくれといわれて「柳家には教えたくない」と断ったそうだからね(その後誰かに教わったのか、喜多八師も掛けているみたいですが)さて小里ん師は誰に。
この噺を得意とする馬生師・雲助師に挟まれての出番は緊張したかもしれないが、出来は素晴らしいものでした。駄目男の可愛らしさが、そこに惚れてしまう女の姿を引き立てます。
■五街道雲助『花見の仇討ち』
師匠である先代馬生から受け継いだ噺。
もうね。完璧。言うことなし。
まずぴたっと正面を切った地語りは、あくまで悠然と。そして出てくるおっちょこちょいどもの町人たち、武士たちは、微細な口調の変化だけでそれぞれのキャラクターを鮮やかに描き分けられて、素晴らしい。
雲助師は素敵だなあ。月極十番行きたかったなあ。
古今亭・金原亭とはなんなのか、僕にはまだ良く分からない。けれどこの日は古今亭・金原亭をしっかり堪能することが出来た。贅沢な時間でした。
けど、志ん生・志ん朝という名跡は、どうなるのかねえ。数十年後に雲助師みたいな人が現れて「昔の名前」として弟子につけたりするのかしら。