『シェアする落語』次回は7/7です。

2012年03月04日

雪の日 小満ん・喬太郎の会(2012/02/29) #rakugo #落語


120229Kyo_koman


数ある落語会の中でも、これはぜひ行きたいと思った。

喬太郎師と、小満ん師の二人会

会場は銀座のブロッサム。よく落語会やっていることは知っていたけど、来たのは初めて。なんだか大きいんだよねえ。900人以上入るそうで。そして席は残念ながら後ろのほう。

ロビーで恩田りえさん初の著作『お囃子えりちゃん寄席ばなし』を売っていた。紙に名前を書いておくとサインしてもらえるシステム。というわけで購入。

■柳亭市也『元犬』
■柳家小満ん『雪とん』
■柳家喬太郎『竹の水仙』

中入り

■柳家喬太郎『稲葉さんの大冒険』
■柳家小満ん『素人鰻』


■柳亭市也『元犬』
ニンにあった噺をうまくまとめている、けど、この噺二回目だったので他のも聴いてみたい。


■柳家小満ん『雪とん』
なんかこんな大きな会場で小満ん師を観るのは不思議な感じ。前日からの降雪に引っ掛けて、せっかくこんな珍しい噺をやってくれたのに、所々、それも肝心なところで意識を飛ばしてしまった。もう残念無念。


■柳家喬太郎『竹の水仙』
気を取り直して喬太郎師、学生の頃から憧れていた小満ん師との二人会がもう嬉しくて、「楽屋が楽しい、皆さんを楽屋にお連れしたい」と。噺のほうは前にテレビ(落語研究会)で観た型(侍が切れて現代の若者言葉になる)よりもオーソドックス。侍が切れる代わりに宿屋の主人が何を言っても「お手打ちですか?」とお手うちパニックになる。楽しかった。

中入り

お囃子えりちゃん寄席ばなし』 を入手。ロビーで読みふける。
2012/02/29 22:53:56
@mongolbrazil 今日の銀座の会で御著購入致しました。前半のマンガで泣きそうになりました。サインありがとうございました。
落語会のロビーでマンガ読んで泣きそうになるってどうよ。
 

■柳家喬太郎『稲葉さんの大冒険』
「ホワイトデー。あれはなんなんですか。貰わなかった男は何もできないじゃないですか」というまくらは実は落ちの仕込だった。

全く知らなかったがこの噺「稲葉さん」とは柳家さん喬師の本名で、なんと三遊亭円丈師がさん喬師をイメージして作ったのだそうだ。しかしおそらくキャラクターの描き方は喬太郎師が相当手を入れているはず。

犬の散歩に来ていた老人「長谷川さん」がひたすら暴走しまくり、公園でばったり会っただけの気弱な稲葉さんは何も断れないまま大変なことになるという展開。長谷川老人の強引さがひたすら可笑しい。分かりにくいが、ネタバレを避けているのでこうなる。

犬嫌いなのに散歩をやらされている老人、ペスという飼い犬のアイデンティティを崩壊させようと「ポチ」「タマ」といろんな名前で犬を呼びつけ、最後には「恩田えり!恩田えり!生意気に本など出しよって、それをロビーで売っておるわ。そんなもの只で配れ!」

客席全体がもう唸るような大爆笑。

挙句の果てには長谷川さん「さっきやった『竹の水仙』が台無しですな!わっはっは」と。

「ペットのアイデンティティ崩壊を仕掛ける老人」は『孫、帰る』と同じパターン。

■柳家小満ん『素人鰻』
喬太郎師が暴力的に暖めた会場の空気が、小満ん師の優雅な雰囲気に回収されて、穏やかな古典落語空間に。

今度はしっかり楽しみましたよ。いやもう。素敵ですわ。鰻職人の金が酒で人格が崩壊していく様子すら、滑稽の中になんともいえない雅があって美しい。何とか商売人になろうとしているのにどうしても町人(いや「市民」か)を見下してしまう元武士の悪戦苦闘振りのなかに、薄く漂う物悲しさ。


だめだ、こちらのボキャブラリー不足。

小満ん師は素敵です。『雪とん』のまくらで「雪が降ったのはあたしのせいです」とおどけていたけど、雪景色、その風情がたまらなく似合いますよ師匠。

でも、でも、もうちょっとだけ近くで観たかったです。正直言って。


お囃子えりちゃん寄席ばなし

4781606997

小満ん喬太郎





m_shike at 12:10コメント(2)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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コメント一覧

1. Posted by 山親爺   2012年03月11日 23:20
「稲葉さん…」に出てきた「長谷川さん」、「ハセガワタモツ」と名乗ってましたが、これ実は5代目桂文枝の本名と同じなんです。
本名は「長谷川多持」。
上方では「上方四天王」の一人として著名だけに時々クスグリに使われるのですが、東京では珍しい。何でこの名前を出したんだろう?
役人がキレない「竹の水仙」と共に、大人しい喬太郎を見ました。
2. Posted by 4k    2012年03月11日 23:53
うわそうなんですか。知りませんでした。文枝師については三枝師の伝記マンガでしか知りませんが、あんなキャラじゃないですもんね。あれじゃ酔った松鶴師だ(ちょっと違いますな)。

竹の水仙は明らかに抑えてましたね。二席目の爆発狙いですね。

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