2011年11月20日
第3回メセナ落語 立川談四楼・柳家権太楼二人会 #rakugo
本来地元の方々のためのイベントだが、たまたまチケットを頂くことができたので、行ってきました館林。
千葉県民は群馬県と聞くとそれだけで身構えてしまうが、埼玉のちょい先でそんなに遠い町ではなかった。
わざわざ「りょうもう号」座席指定に乗ったんだけど。
静かな城下町の「三の丸」に造られたホールは大変立派で音響もよく、中に飲食物を持ち込めないことを除いては非常にいい会場だった。
立川寸志『子ほめ』立川談四楼『目黒のさんま』柳家権太楼『猫の災難』
仲入り
柳家権太楼『火焔太鼓』マクナム小林『バイオリン漫談』立川談四楼『ねずみ穴(鼠穴)』
●立川寸志『子ほめ』
仲入り
●柳家権太楼『火焔太鼓』
火事の描写なんて特段力が入っているわけでもないのに迫力があるんです。いやな兄貴が鬼に見えるんです。
怪談噺よりこういう噺のほうが怖い。
まくらで五臓の疲れの話をしなかったので、どうやって落とすのかなと思ったら実に分かりやすいところに落とした。これは以前からある形なのか、談四楼師の創作なのか知りたい。
というわけで、同期である実力者二人がいいバランスで火花を散らして、大変に楽しい会でした。館林まで来た甲斐がありました。ご招待有難うございました。
で、東京から足を運んだメンバー中心に飲みに行ったわけですが、そこで起こったびっくり話については、
更新できないいいわけ 〜週末はイベントラッシュ〜 | もうひとつの夕景工房
をどうぞ。 「Sさん」が僕です。
先日この噺で、前座離れした見事な口跡と、前座らしい「噺を途中ですっ飛ばして絶句」というデビューを飾った寸志さん。今回は絶句することなくその見事な語りを見せた。が、あとで権太楼師からおしかりを受けたそうだ。しかもそのポイントは、談四楼師がふだん指摘してきたことと全く同じだったんだそうだ。こういう話には芸能としての落語のすごみを感じますな。
●立川談四楼『目黒のさんま』
「今日は寄席の爆笑王、権太楼師匠をお呼びしております。売れっ子でございます。しかし呼んだのは私でございます」と。栄養素を気にする人たちについてなど、長めの枕を振った後にさんま。
師匠のさんまは今年二匹目で、他の落語家を含めるとつばなれしてしまう。さすがにもう満腹で、ちょっと疲れていたこともあり、正直ときどき意識が飛んだ。申し訳ないです。
師匠のさんまは今年二匹目で、他の落語家を含めるとつばなれしてしまう。さすがにもう満腹で、ちょっと疲れていたこともあり、正直ときどき意識が飛んだ。申し訳ないです。
とはいえ、正統派の古典でありながら、まるでさんまの小骨を抜くように、細かいところを少しずつチューニングして、落語を初めて聞く人にも分かりやすく、といって旨みや脂は一切抜かずに、さりげにAKBまで噺に入れてしまうのはさすが。
●柳家権太楼『猫の災難』
ひさびさ生の権太楼師。なんといっても権太楼師の魅力はそのグニャグニャっぷりだと思う。酒の噺だけに酒飲みの愉快なダメっぷりをもう存分にグニャグニャっと演じ場内大爆笑。上半身の揺れ方が半端じゃない。あとの飲み会でファンが「ほんとに飲んでるんじゃないかと思いました」談四楼師「高座から降りてポカリスウェット飲んでたよ」。ほんとはあまりの熱演に、楽屋ではぐったりしていたんだそうです。なるほど。
仲入り
●柳家権太楼『火焔太鼓』
古今亭のお家芸を柳家のエースが演る面白さ。やはり演出が独特というか権太楼的グニャグニャが爆笑を呼ぶわけですが、その中にもほんのりとCDで聴いた志ん生が見えてきて、それが何だか嬉しかった。
●マクナム小林『バイオリン漫談』
先日某所でばったりお目にかかったマグナムさん。以前に見たときとネタはほとんど変わってないんだけど、ホントに見事で面白い芸。暴れん坊将軍は、もう何度観ても笑える。
●立川談四楼『鼠穴(ねずみ穴)』
さあて最後は師匠、どんな噺で締めてくるのかと思ったら、でましたよ。ちょっと風が冷たくなってきたなあとおもったらねずみ穴です。怖いんです。ほんとに怖いんです。ストーリー全部知っているのに怖いんです。火事の描写なんて特段力が入っているわけでもないのに迫力があるんです。いやな兄貴が鬼に見えるんです。
怪談噺よりこういう噺のほうが怖い。
まくらで五臓の疲れの話をしなかったので、どうやって落とすのかなと思ったら実に分かりやすいところに落とした。これは以前からある形なのか、談四楼師の創作なのか知りたい。
というわけで、同期である実力者二人がいいバランスで火花を散らして、大変に楽しい会でした。館林まで来た甲斐がありました。ご招待有難うございました。
で、東京から足を運んだメンバー中心に飲みに行ったわけですが、そこで起こったびっくり話については、
更新できないいいわけ 〜週末はイベントラッシュ〜 | もうひとつの夕景工房
をどうぞ。 「Sさん」が僕です。