2011年10月02日
柳家と立川2(柳家喬太郎・立川談笑)2011/09/24
長い間ブログを書いていると、ときどき素敵なことが起こる。本当よ。
横浜にぎわい座から帰ってきて、買ってきたシュウマイで家族と夕食。あれこれしているうちに深夜となり、寝なくちゃと思っているとFacebook経由でメッセージが。依然お世話になったのに長らくご無沙汰しているKさんから。
「明日のよみうりホール、喬太郎と談笑ですがチケットが余ってます。行きませんか?」
ひえい。
行きます行きます!
というわけで横浜・有楽町と連休二連キョン師!しかも談笑師との二人会に行ってきたのです。Kさんありがとうございました。改めて感謝申し上げます。
1100人収容のよみうりホール、ほぼ満員でした。
●立川こしら『時そば』
おっと前から見たかった。こんなところで初こしらだ。なるほど、噂通りの「落語テクニックに頼らない古典」だな。もうちょっと長い話を聴いてみたい。
●柳家喬太郎『ほんとのこというと』
いよいよキョン師登場。
「連休中にこんなところにきているあなた方は変なんだ(客爆笑)(楽屋に)おーい今日の客はMだぞー。…すみません言い過ぎました」
ここまでで既に会場内は異様なグルーヴ感。ネタだしをしていなかったので、新作来ないかなーと思ったら来たよ!名作『ほんとのこというと』。
ガールフレンドを家族と会わせるという、わりと普遍的なシチュエーションからここまで異常な状況を作り出していくキョン師は凄い。
なにより登場人物四人の演じ分け、ガールフレンドと母親の対面シーンで、しゃべってない方の母親を「頷き」を演じるあたりは絶品。
●立川談笑『粗忽長屋』
こちらネタ出し。なるほど家元談誌の解釈をさらに発展させた談笑師改作はこの会にふさわしい。「今日は喬太郎師匠に敬意を表してコロッケそばを食べてきました」そこから数々のまずい蕎麦屋巡りの話でふたたび会場がグルーヴする。ざるそばが焦げてるって。
噺はおなじみの談笑版全員粗忽。時間があったせいかところどころ膨らましてあって楽しい楽しい。
仲入り
●立川談笑『イラサリマケー』
でました十八番。三代目金馬も天国で爆笑の改作『居酒屋』。CDでもう何度聴いたかわからないのにまたも大爆笑。
おなじみビルマ人店員の「日本人の知らない日本語・下品編」である「おまたけだしましたー」に1000人以上の人たちが一体となって笑っているのが気持ちいい。
●柳家喬太郎『道灌』
トリにネタ出しでこの噺を持ってくるところがキョン師のすごいところ。柳家とその流れである立川流は、まず最初に習うのがこの『道灌』。前座噺でありながら、落語のもつ様々な要素が取り込まれ、決して簡単ではない噺。まあ前座噺ってそんなもんなんでしょう。
喬太郎師はこれを、ほとんどオリジナルのくすぐりを入れずにトリネタとして演りきった。これはものすごく難しいチャレンジだったらしく、ところどころ噛んでいた。その噛んだところもギャグに織り込んでしまうあたりが喬太郎師の力なんだよなー。
●柳家喬太郎・立川談笑『座談』
これがまた楽しい楽しい。けど書けない!
「これはブログとかツイッターに書かないでくださいねー。カメラ回っているけど放送もだめですよー」と放送禁止用語連発のキョン師。
確かにどう考えても1000人を目の前にしゃべるにはちょいと危険な話。おもしろすぎる。で、いま検索してみても、誰もそのことを書いていない!なので僕も書けない。
危なくなさそうなところを一つ、キョン師はこのとき初めて『イラサリマケー』を聴いて爆笑したそうだ。
喬太郎「なんて頭がいい奴なんだと思ったよ。こういう発想は俺にはできない。こいつの発想には負けるなーと思うのは談笑と百栄だね!」
百栄師と一緒にされて後ろにずっこける談笑師。
喬太郎「いやいやタイプは違うよ?あ、じゃこんど百栄と二人会やりなよ。で俺は真打ち繋がりでキウイとやるから」
談笑「ここは、謝らないと行けないところなんでしょうか」
ちなみに喬太郎師、前座時代のキウイ師の会に出ています。談春師の真似したのか、豪華ゲスト並べて連続で会を開き、キャンペーン打ったけど二つ目になれませんでした、という話。
いやまあとにかく、ロックのライブを聴いて帰ってきたような心地よい高揚感と疲労感があった。
落語という芸能がもっている懐の広さ・幅の広さを、自らの運動で示そうとする喬太郎師は、いわばだだっ広い落語フィールドを横に疾走し続けている。
一方で、一つ一つの噺を丹念に磨き組み直し、改作を持って伝統を現代に届けようとする談笑師。こちらは噺を掘り下げ、高く積み上げている、縦の動きだ。
どちらも抜群の落語反射神経・落語技術をもって日に日に新しいことを仕掛け、目の前の客を喜ばせているわけだ。
まあ、とにかく楽しかった。またこの二人でやってほしいなあ。
おっと前から見たかった。こんなところで初こしらだ。なるほど、噂通りの「落語テクニックに頼らない古典」だな。もうちょっと長い話を聴いてみたい。
●柳家喬太郎『ほんとのこというと』
いよいよキョン師登場。
「連休中にこんなところにきているあなた方は変なんだ(客爆笑)(楽屋に)おーい今日の客はMだぞー。…すみません言い過ぎました」
ここまでで既に会場内は異様なグルーヴ感。ネタだしをしていなかったので、新作来ないかなーと思ったら来たよ!名作『ほんとのこというと』。
ガールフレンドを家族と会わせるという、わりと普遍的なシチュエーションからここまで異常な状況を作り出していくキョン師は凄い。
なにより登場人物四人の演じ分け、ガールフレンドと母親の対面シーンで、しゃべってない方の母親を「頷き」を演じるあたりは絶品。
●立川談笑『粗忽長屋』
こちらネタ出し。なるほど家元談誌の解釈をさらに発展させた談笑師改作はこの会にふさわしい。「今日は喬太郎師匠に敬意を表してコロッケそばを食べてきました」そこから数々のまずい蕎麦屋巡りの話でふたたび会場がグルーヴする。ざるそばが焦げてるって。
噺はおなじみの談笑版全員粗忽。時間があったせいかところどころ膨らましてあって楽しい楽しい。
仲入り
●立川談笑『イラサリマケー』
でました十八番。三代目金馬も天国で爆笑の改作『居酒屋』。CDでもう何度聴いたかわからないのにまたも大爆笑。
おなじみビルマ人店員の「日本人の知らない日本語・下品編」である「おまたけだしましたー」に1000人以上の人たちが一体となって笑っているのが気持ちいい。
●柳家喬太郎『道灌』
トリにネタ出しでこの噺を持ってくるところがキョン師のすごいところ。柳家とその流れである立川流は、まず最初に習うのがこの『道灌』。前座噺でありながら、落語のもつ様々な要素が取り込まれ、決して簡単ではない噺。まあ前座噺ってそんなもんなんでしょう。
喬太郎師はこれを、ほとんどオリジナルのくすぐりを入れずにトリネタとして演りきった。これはものすごく難しいチャレンジだったらしく、ところどころ噛んでいた。その噛んだところもギャグに織り込んでしまうあたりが喬太郎師の力なんだよなー。
●柳家喬太郎・立川談笑『座談』
これがまた楽しい楽しい。けど書けない!
「これはブログとかツイッターに書かないでくださいねー。カメラ回っているけど放送もだめですよー」と放送禁止用語連発のキョン師。
確かにどう考えても1000人を目の前にしゃべるにはちょいと危険な話。おもしろすぎる。で、いま検索してみても、誰もそのことを書いていない!なので僕も書けない。
危なくなさそうなところを一つ、キョン師はこのとき初めて『イラサリマケー』を聴いて爆笑したそうだ。
喬太郎「なんて頭がいい奴なんだと思ったよ。こういう発想は俺にはできない。こいつの発想には負けるなーと思うのは談笑と百栄だね!」
百栄師と一緒にされて後ろにずっこける談笑師。
喬太郎「いやいやタイプは違うよ?あ、じゃこんど百栄と二人会やりなよ。で俺は真打ち繋がりでキウイとやるから」
談笑「ここは、謝らないと行けないところなんでしょうか」
ちなみに喬太郎師、前座時代のキウイ師の会に出ています。談春師の真似したのか、豪華ゲスト並べて連続で会を開き、キャンペーン打ったけど二つ目になれませんでした、という話。
いやまあとにかく、ロックのライブを聴いて帰ってきたような心地よい高揚感と疲労感があった。
落語という芸能がもっている懐の広さ・幅の広さを、自らの運動で示そうとする喬太郎師は、いわばだだっ広い落語フィールドを横に疾走し続けている。
一方で、一つ一つの噺を丹念に磨き組み直し、改作を持って伝統を現代に届けようとする談笑師。こちらは噺を掘り下げ、高く積み上げている、縦の動きだ。
どちらも抜群の落語反射神経・落語技術をもって日に日に新しいことを仕掛け、目の前の客を喜ばせているわけだ。
まあ、とにかく楽しかった。またこの二人でやってほしいなあ。