2011年08月29日

池袋演芸場8月下席 昼の部(2011/08/26) #rakugo


会社でいろんな人と話していると、どうも「生で落語を聴いてみたいと前から思っているけど、なんか踏み切れない」という人が多いことに気がついた。

じゃあ僕が引率するから、みんなで落語を聞きに行きましょう。

さてどこへ行くべきか。いろいろ考えた上で、この「池袋演芸場8月下席 昼の部」にしてみた。
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理由は
・チケットを押さえるのはいろいろ面倒である。
・池袋演芸場は小さくていい感じである。
・マイクを通さない生の声が聴ける。
・林家正蔵が、テレビと高座でどう違うのか比較することができる。
・柳家三三は、たぶんやってくれる。
・いきなり立川流は辛い(色物がない)。

といったところ。社内で公募したところ、驚きの6人参加。
その多くは落語初体験。中には「落語久しぶり」の方も。

張り切って開演2時間前に行ったら誰も並んでなかった。おかげで座席も狙い通りの「中央前から2列目3列目」を確保。

あとで聞いたのだが、正蔵・三三交互にトリをとるこの芝居、池袋8月下席昼の毎年恒例になっているらしく「ぽっかぽか寄席」という名前もあるという。そんなのどこにも書いてなかったけど。顔つけも二人で決めているのだそうだ。



●前座 林家はな平 寄合酒
初見、正蔵の弟子。
前座にしてはずいぶん登場人物の多い、長い噺をやったものだ。途中から誰が誰だかよくわからなくなった所があった。ま、こんな噺をかけるのは二つ目が近い証拠かな。頑張れ。
 

●春風亭正太郎 たいこ腹
初見・でもツイッターではおなじみ。
幇間の噺は愛嬌が命だと勝手に思っているが、なかなかいい愛嬌で良かった。
・春風亭正太郎 (shoutarou0823tk)  Twitter
進め!正太郎

●春風亭柳朝 権助魚
初見・でかい名跡を継ぎながらもひょうひょうと軽快にマイペースな感じで好感が持てる。
口が回りすぎてちょっと単調に感じるところもあったが、一緒に観に来た方々からは非常に評判が良かった。
ブログ『総領の甚六』

●金原亭馬好 初天神(売り声入り)
初見。ベテラン。あまり聴きやすい声ではないようだ。でも武器がある。
季節外れのこのネタを持ってきたのは、特技の売り声を入れるため。
懐から出した板と拍子木を使い、七色唐辛子売りの売り声などを交えて演じた。なるほどこういう落語もあるのかと感心。

ガマの油売り、バナナのたたき売り、江戸飴売り漫談など、大道お笑い易学など野外でも演じています。
また「お座敷大道芸」と称し七色唐辛子、弘法樣の石芋、ロク魔(大道易者)、物産飴売りなども。故・坂野比ろ志氏もやっていましたが、そこに噺家らしくひとつひとつサゲをつけたところに自負があります。



●林家 二楽 紙切り(桃太郎・隅田川花火大会・大喜利選手権・ディズニーランド)
寄席初体験の方々を連れてきたので紙切りがあるのは嬉しい。あの短時間に花火大会を細かく切るのは見事なもんです。
●林家正蔵 伊予吉幽霊
生の正蔵師は久しぶり。初めて聞く話だと思ったら「六人の会」の公募で賞を取った作品で、さらに正蔵師が手を入れているとのこと。なかなか良くできた噺で、正蔵師の任にも合っている。しんみりさせて笑わせて、深みはあるけど余計な重さを残さない演出は見事。もう一歩練りあげる余地も感じたけど、どこをどうすればいいのかは素人には分からない。
とにかく、タレントこぶ平とは全く違う落語家・正蔵を落語初体験メンバーに見せることができて満足。
ところで、今度独演会で『ぼんぼん唄』やるそうで、これはちょっと聴いてみたい。
芸人紹介 林家正蔵


●三遊亭萬窓 紀州
中トリで時間があるところで、「落ちの種類」などまくらをたっぷり。さらに噺の途中に漫談風味を交えながら『紀州』。結構でございました。

−仲入り−

●三升家 う勝 千早振る
初見。なんかこう不思議なキャラだなあ。聴きなれたこの噺で十分笑わせてくれた。
あとで調べて驚いた。まだ二つ目なんだ。
海外で観光ガイドを経験し、帰国後は旅行代理店勤務から葬祭業への転職を経て37歳で落語家の道に進んだ異色の経歴の持ち主。
『三升家う勝 - Wikipedia』
異色すぎるでしょそれ。今じゃ落語協会、30すぎると弟子にしちゃいけないらしいし。

●柳家 小団治 千両みかん
クール宅急便の噺を軽くふって千両みかん。滑らかで綺麗な江戸ことばの落語。タイプは違うが桂文字助師を思い出した。初心者には良さがわかりにくいかもしれない。
芸人紹介 柳家 小団治

●花島 世津子 奇術
でました寄席ならではの緩すぎる色物。手品なのにどこで拍手していいのかもよく分からない。
まあこういうのも「寄席らしさ」ということで体験してもらったのは良かったかもね。ヒザだし、あんまり派手なことやられても困るわけで。
日本奇術協会 | 会員紹介 花島 世津子
いつの写真だよこれ!

●柳家 三三 大工調べ
初見・やっと会えたぜ三三師。テレビじゃ何度も見ているけどね。
まくらから絶好調で客席は笑いの渦。なかでも十代目桂文治の話に大爆笑させられた。
絶妙のタイミングで噺に入り、あとはもう文句つけようがない緩急、言い立てのハイテンションぶりにはもちろん拍手(噺が聞こえなくなっちゃうので僕は叩かないけどね)江戸落語のかっこ良さを見せつける絶品の高座に満足。
三三のひとりごと - Yahoo!ブログ


というわけで、落語初体験&久しぶりの方々に寄席演芸を楽しんでもらうという企画は無事終了。
そのまま世界の山ちゃんに流れて感想会。おかげさまで参加者からの評判も良かった。
特に最後の三三師の印象はみんなにとっても鮮烈だったみたい。柳朝師も人気があった。

そしてそして、花島世津子さんの「どこで手を叩いていいかわからない、ゆるいゆるい手品」の話でも一同盛り上がったのであった。そう、あれも寄席なんです。

※ご参加の皆さんありがとうございました。

個人的には、初心者をつれて行くなんて先生役みたいなものを引き受けたくせに、実は初めて見た芸人ばかりだったりして、自分がいちばん楽しんでいた。
なかでも、う勝さんは気になる。本名で葬儀業界についての本を出していたりする。気になる。



m_shike at 12:00コメント(0)トラックバック(0)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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