『シェアする落語』次回は7/7です。

2009年08月30日

第22回・無限落語 円丈・小ゑん・左談次・清麿・白鳥・玉々丈(1)


お江戸日本橋亭にて。 いやあ前売り2200円は安かったな。たっぷり楽しませていただきました。
「第22回・無限落語」にご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
現時点の演題は以下の通りです。
三遊亭玉々丈「マンモスヨタピー」
三遊亭白鳥「勘当舟」
夢月亭清麿「東急駅長会議」
立川左談次「本読み」
柳家小ゑん「銀河の恋の物語」
三遊亭円丈「検問ドリンカー」
 「無限落語」通信 : ご来場ありがとうございました。
「無限落語」は、三遊亭円丈・柳家小ゑんによる新作落語の会。今回のテーマは『あの伝説の「実験落語」が今再び・・!』


【あの伝説の日々を知ってる者が、少なくなった・・】  今の若い落語ファンは「実験落語」と言っても「なにそれ?」となるが、40代落語ファンなら「実験落語」と言う名前は知ってる。1970年代後半、渋谷ジァンジアンと言う伝説のライブハウスで円丈が主宰する「実験落語」が行われ、かなり世間の注目を浴びた。   落語は寄席から出てくるが円丈のやる “実験落語”は、寄席育ちじゃなく、ライブハウス育ちだった。メンバーは、円丈、清麿、小ゑん、しん平、米助、寿輔、左談次、談之助、源平など・・と言うメンバ−だった。  そこには新しい笑いを聞きたいという20代〜40代のお客さんが、集まって来て、凄い熱気があった。当時としたらかなりプログレッシッブな落語で業界関係者も結構、来ていた。   そして実験落語のメンバーの最後に今のスワのメンバー、昇太、白鳥が、前座として来ていた。そう白鳥までがぎりぎり実験落語に間に合った世代なのだ。落語の先駆け落語会として実験落語は、新作の落語を作ったのだ。
 無限落語会・円丈、小ゑんが06年始めた新作落語の会だよ
ここでちょっと現代落語史を少しだけ。

 創作落語論 (河出文庫) (文庫)
4309409679
五代目つば女は五代目小さんの弟子で談志の同期。真打昇進も同時。
談志は「私とは合わなかった」と振り返っているが、談志の『現代落語論』で「古典こそ落語」と新作を否定したのに対して、つば女によるこの『創作落語論』では「古典こそが傍流」とほぼ逆の主張を展開している。

確かに合ってない。

 しかし談志はこの『創作落語論』にヒントを得て、のちの『現代落語論PART2』「落語は業の肯定」と定義し、これが現在幅広く定着している。 二人の小さんの弟子、微妙な関係である。つば女は佐藤栄作首相(当時)をネタにした新作で首相夫人の逆鱗に触れ、テレビを干されて話題になったりしながらも、将来を嘱望されながら残念ながら早世。

つば女の創作落語論に影響を受けているのが、今回復活した「実験落語」のメンバーだと考えていいと思う。なかでも夢月亭清麿はつば女の弟子で『創作落語論』の解説も書いている。

円丈の師匠、先代・三遊亭円生が「真打乱造」に異議を唱え(というか、円楽にそそのかされて)落語協会を脱退する騒ぎが起きた。円生に同調すると思われた談志や志ん朝、円蔵(先代)、円鏡(当代円蔵)はどう動くのか、情勢を見極めるために円丈が情報を得ていたのがこの清麿でもある。このあたりの生々しいやり取りは円丈作のこの本に詳しい。
 

円生の死後、落語協会に復帰した円丈がすでに立ち上げていた『実験落語』を清麿・小ゑんとともにどんどん発展させていった。寄席でもホールでもないライブハウス落語。

やがて円丈は売れっ子になり、漫才ブームのなかで漫才師に混じってテレビに出る落語家になった。 桂三枝や、春風亭昇太・柳家喬太郎などの後進に大きな影響を与え、三遊亭白鳥という優れた(とんでもない)新作の担い手を育てた。

円丈はつまり新作落語中興の祖と言ってもいい。

ということで、円丈師と清麿師が同じ舞台に立っているところを見ただけで、個人的には興奮なんですよ。歴史上の人物という感じで。

 えっと、一回切ります。続きはこちらで。

m_shike at 19:05コメント(0)トラックバック(1)落語 | 生落語感想 このエントリーをはてなブックマークに追加

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前回の続きで、当日のお江戸日本橋亭。初めて来たけど中がけっこうキレイでいい感じ。前方座椅子席前から二番目を確保。凄い迫力で楽しめた。三遊亭玉々丈「マンモスヨタピー」このタイミングでのり・しおヤクネタやるのは当然のこととして「与太郎がアブりをやってふら....

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